セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P116 インターフェロン(IFN)-ラミブジン(LMV)交代療法により臨床的治癒に持ち込んだIFN単独療法に抵抗性のB型慢性肝炎の2例

演者 小畑達郎(宇治徳洲会病院消化器内科)
共同演者 佐藤秀人(宇治徳洲会病院消化器内科), 竹本隆博(宇治徳洲会病院消化器内科), 関岡敏夫(宇治徳洲会病院消化器内科), 竹田彬一(宇治徳洲会病院消化器内科)
抄録 【背景】若年者のB型慢性肝炎では核酸アナログでの長期療法は避けたい.一方B型慢性肝炎に対するインターフェロン(以下IFN)単独療法の有効性は低く再燃率が高い.我々は半年問のIFN治療を施行しても病勢の落ち着かない若年B型慢性肝炎に対しt9-12ヶ月(平均10ヶ月)のうミブジン(以下LMV)を先行投与し1ヶ月間IFNを併用その後5ケ月IFN単独投与して終了するIFN-LMV交代療法を試み長期にHBe抗原・抗体のseroconversion(以下SC)とALT正常を得た症例を経験しているので報告する.【症例1】31歳男性。2000年7月(29歳)全身倦怠感で初診B型慢性肝炎急性増悪だった.初診時HBVgenotype=CHBV-DNA=7.OLGE/mしであった.同年8月から2001年2月までおよび2001年8月より2002年2月までの2クールIFNα単独投与を行うもHBe抗原は消失せずALTも再上昇したそこで2002年8月肝生検施行.F2/A2だった.同月よりIFN-LMV交代療法を導入し2003年11月末に薬剤を終了.以後はシュープを起こすことなく2006年9月以降SCとなりALT正常・HBV-DNA〈105を続けている.【症例2132歳女性右季肋部痛で近医初診B型慢性肝炎急性増悪だった肝生検はF2/A2HBV-DNA>7.6LC/mLだった.2003年1月から7月までIFN投与を受け一時的にSC得てALT正常化するも終了後relapseしHBe抗原陽性化したため当院紹介された.2004年3月当院初診時ALT=908HBV-DNA=6.9LC/mLHBVgenGtype=Cだった直:ちにLMV開始し2005年1月末でLMV終了.2005年1月初旬からIFNa6MU/日を週3回投与し同年6月末に終了した.旧例もシュープを起こすことなくSCし2005年10月以後はHBV-DNAが検出感度以下を続けている【考案】B型慢性肝炎の治療目標はhostの免疫力のみで活動性肝炎が長期にわたって起きないレベルまでウイルスを抑制することだと考える.LMVに引き続き免疫調整作用を持つIFNを使用することはSCをもたらす可能性が高まり有用と考える.
索引用語