セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P119 肺炎クラミジアとの重複初感染が示唆されたEBVによる伝染性単核症の一例

演者 静間徹
共同演者 中山宏幸, 大原正志(国際医療福祉大学病院消化器内科)
抄録 【はじめに】EBVの初感染により伝染性単核症(IM)を発症することはよく知られているが肺炎クラミジアとの重複初感染をきたしたEBVによる四の成人報告例は検索した限りみられていない.今回われわれは肺炎クラミジアとEBVの重複初感染によるIM例を経験したので報告する.【症例】生来健康な26歳男性.発熱咽頭痛全身倦怠感にて当科外来を受診.肝機能障害および扁桃腺腫大右側優位の両側胸水・右肺野の肺炎像を認め当科に入院となった【経過1入院時WBC 10200/μ1(異型リンパ球12%)PLT 5.7万/μ1T-bil 1.6mg/dL AST 211U/L ALT 246U/L Alp 847U/1CRP 4.6mg/dlCD4/CD8比0.30であった. ELISAによるウイルス・細菌マーカーはEBV VCA IgM抗体1.5およびIgG抗体2.7EBNA抗体陰性で肺炎クラミジアについてはIgM抗体218IgA抗体1.85IgG抗体O.91(判定±)であった.腹部超音波検査では脾腫・肝田部リンパ節の腫大が認められた.入院後にマクロライド系抗生物質・肝庇護剤の投与を施行したが胸水はすみやかに消失しPLT数も正常化した.また発症より7週後の時点で肝胆道系酵素値は正常化しておりEBVVCA IgM抗体の陰性化を認めたなお肺炎クラミジアについてはIgM抗体1.07(判定±)IgA抗体3A6IgG抗体1.43と変動していた.以上より自験例は肺炎クラミジア初感染が重複したEBV初感染によるIMと考えられた.【考察】EBVによるIM例においてt胸水や血小板低下をきたすことは稀にはあり一方急性肺炎に肝機能障害が併発することも時にみられる.しかしIM例においても非典型例では他の細菌・ウイルスとの重複感染も考慮する必要がある.
索引用語