セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P121 急性E型肝炎の3例

演者 小林美奈子(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 小林稔(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 小澤俊一郎(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 小原宏一(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 山田典栄(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 岡本賢(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 池田裕喜(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 高橋秀明(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 片倉芳樹(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 松永光太郎(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 松本伸行(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 奥瀬千晃(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 四柳宏(東大病院感染症内科), 三代俊二(東芝病院研究部), 鈴木通博(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 飯野四郎(清川病院), 伊東文生(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 症例1:50歳男性.マレーシアインドネシアおよびタイより帰国約1ヶ月後発熱を主訴に来院.T-BIL5.Omg/dlAST 21151U/LALT31341U/LPT 59%PLT 9.9万/μ1と黄疸を伴う肝障害および凝固能の低下を認めた.症例2:32歳男性.香港より帰国約1ヵ月後発熱および下痢を主訴に来院.AST 13161U/LALT 18291U/しと肝障害を呈していたがT-BIL O.6mg/dlPT 81%と旧例なく凝固能は保たれていた.症例3:23歳男性.インドより帰国約2週間後全身倦怠感にて受診AST 95501日目LALT 92701U/しと著明な肝障害を認めPTは27%と低下しており重症急性肝炎と診断された.症例3は劇症化が懸念され肝移植が可能な施設へ転院となったがいずれの症例も保存的治療で軽快した.各種肝炎ウイルスマーカーは陰性でありHEV関連マーカーを検索したところ全例でIgM-HEV抗体およびHEV-RNAが陽性であった.以上より急性E型肝炎と診断し全例でHEVの遺伝子塩基配列を決定しt系統樹解析を行った.症例1はタイ由来症例3はインド由来の分離株と一致したが症例2は国内のブタ由来の分離株に類似していた.今回我々は海外渡航歴を有する急性E型肝炎の3例を経験しうち1例は系統樹解析の結果国内での感染が疑われた.原因不明の急性肝炎においては本疾患を常に念頭に入れることが重要である.
索引用語