セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P122 肝外病変を伴ったIgG4関連硬化性胆管炎の一例

演者 古賀荒太郎(九州医療センター消化器科)
共同演者 肱岡真之(九州医療センター消化器科), 大穂有恒(九州医療センター消化器科), 岩下亮子(九州医療センター消化器科), 岩佐勉(九州医療センター消化器科), 水谷孝弘(九州医療センター消化器科), 吉本剛志(九州医療センター消化器科), 武元良祐(九州医療センター消化器科), 宮原稔彦(九州医療センター消化器科), 福泉公仁隆(九州医療センター消化器科), 原田直彦(九州医療センター消化器科), 中牟田誠(九州医療センター消化器科), 高見裕子(九州医療センター肝臓外科), 才津秀樹(九州医療センター肝臓外科), 桃崎征也(九州医療センター病理部)
抄録 【背景】中高年発症の原発性硬化性胆管炎では自己免疫性膵炎の合併が多くまたIgG4関連硬化性胆管炎が含まれていることが明らかとなりつつある.今回我々は肝外病変を伴ったIgG4関連硬化性胆管炎の一例を経験したので報告する【症例】61歳男性.平成19年1月から1ヶ月間で4kg体重減少あり近医受診血液検査で肝障害IgG高値を指摘され腹部エコーで肝腫瘍を認めたため精査加療目的で当院紹介入院となった入院時血液検査でIgG 4267mg/dlと高値を認めた.腫瘍マーカー(AFPPIVKA-2CEACA19-9)は正常で可溶性IL-2レセプター抗体1780U/mlと高値を認めた.腹部エコーで肝托葉に47x45mm大の境界不明瞭なmassを認め腹部CTで肝左葉S234主体に4cm程度の境界不明瞭で造影早期に辺縁に淡い増強効果を有するmassを認めた腹部大動脈前方に軟部腫瘤を認め胸部CTで縦隔肺門部にリンパ節腫脹を多数認めたMRCPERCPで肝郡部での両側肝管への腫瘍浸潤が示唆された画像所見から胆管細胞癌が疑われたが悪性リンパ腫も否定できず肝腫瘍生検施行した.胆管内腔不整胆管周囲の軽度繊維化など認め門脈域にリンパ球形質細胞の著明な浸潤を認めた.免疫染色で形質細胞はIgG4陽性を示しIgG4関連硬化性胆管炎と診断した.血清中IgG4は2250mg/dlと著明高値であった、治療としてプレドニン投与したところ血清IgG(lgG4)可溶性IL-2レセプター抗体は速やかに低下を認めCTで肝肺縦隔病変すべて縮小傾向を認めた【考察】肝外病変を伴ったIgG4関連硬化性胆管炎の一例を経験した.肝内に炎症四四腫瘍を形成しており胆管細胞癌や悪性リンパ腫との鑑別が困難であった.自己免疫性膵炎lgG4関連硬化性胆管炎がIgG4関連全身性疾患の一部であることが示唆され非常に興味深い症例であった.
索引用語