セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P129 副膵管との交通が疑われた十二指腸重複症に合併した再発性膵炎の一例 |
演者 | 大枝敏(佐賀県立病院好生館内科) |
共同演者 | 秋山巧(佐賀県立病院好生館内科), 有馬誠一郎(佐賀県立病院好生館内科), 有尾啓介(佐賀県立病院好生館内科), 坂田資尚(佐賀県立病院好生館内科), 大塚大河(佐賀県立病院好生館内科), 緒方伸一(佐賀県立病院好生館内科), 川添聖治(佐賀県立病院好生館内科) |
抄録 | 十二指腸重複症はまれな先天異常であり出生10万人に1人以下との報告がある.また消化管重複症は回腸大腸食道が多く十二指腸は4-10%を占めるにすぎないと報告されている.副膵管と交通する十二指腸重複症は医学中央雑誌で検索する限り本邦では数例の報告しかない.急性膵炎の原因精査中に副膵管との交通が疑われた十二指腸重複症の1例を経験したので報告する.症例は38歳の女性22歳時に初発の急性膵炎を発症し以後4回の再発を繰り返していた.原因ははっきりせず31歳時が最後の再発.平成19年8月10日に腹痛が出現し当院初診.AMY38841U/1CTgradeIII厚労省の重症度スコア4点でありStage2の重症急性膵炎の診断で当院入院となった.腹部超音波・CTにて胆嚢近傍に長径40回目の嚢胞を認め嚢胞壁は層構造を示しており十二指腸重複症と診断した.MRCPにて副膵管はループ状に蛇行しておりansa pancreatica様の所見であり重複十二指腸への開口が疑われたため重複十二指腸の試験穿刺を行い造影剤を圧入したが副膵管との交通は確認できなかった.上部消化管内視鏡では副膵管の開口は認めなかった.入院後は大量輸液抗生剤蛋白分解酵素阻害薬にて軽快し退院となった.副膵管と交通のある十二指腸重複症は膵炎を合併すると言われている腸液の膵管内逆子によりenterokinaseが膵液中のトリプシンやphospholipase Aを活性化するためと言われている.本症例は急性膵炎を繰り返しておりERCP等で精査を加え外科的処置の適応を考慮する必要性があると考えられる. |
索引用語 |