セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P131 Doripenem(DRPM)とgabexate mesilateの膵局所動注療法が奏効した重症急性膵炎の一例

演者 藤戸努(四天王寺病院外科)
共同演者 岸渕正典(四天王寺病院外科), 柳生俊夫(四天王寺病院外科), 上野純(四天王寺病院外科)
抄録 重症急性膵炎に対する蛋白分解酵素阻害剤・抗菌薬膵局所動注療法はガイドライン上推奨度C1と分類され十分な科学的根拠はないが行うことを考慮しても良いとされている.抗菌薬はimipenem/cilasta-tin sodium(IPM/CS)が多く用いられているがIPM/CSはgabexatemesilateに対し不安定である.今回重症急性膵炎に対しインフォームド・コンセントを得てDRPMとgabexate mesilateの膵局所動注療法を行い良好な治療経過が得られた重症急性膵炎の一例を経験したので報告する.症例は63歳男性.腹痛・背部痛を主訴に当院初診された.上腹部に圧痛と反跳痛を認めたが筋性防御は認められなかった.血中アミラーゼは56651U/1と著明な高値を示していた.腹部CTにて膵周囲に十二指腸周辺にまでおよぶfluid collectionを認めCTgrade IIIと診断した.以上から重症度スコア2点のStage2重症急性膵炎と診断しgabexate mesilateの大量持続点滴静注(2000mg/day)と抗菌薬の予防的投与を行った.翌日の腹部CTで炎症が右側腎電極を越えて波及し胸水も認められCT Grade IVと増悪を認めたため蛋白分解酵素阻害剤(gabexate mesilate)・抗菌薬(DRPM)膵局所動注療法を開始した.順調に全身状態や検査所見は改善し第4病日に膵局所動注療法を終了した.第5-17病日はgabexate mesilateを経静脈的に投与した.第14病日より食事を再開し食事開始後も再燃を認めず第25病日に退院となった.
索引用語