セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P133 膵膿瘍腔内結腸穿通腹腔内穿破により汎発性腹膜炎をきたし大量生理食塩水洗浄法(DL法)を行ったERCP後重症急性膵炎の一例
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演者 |
古屋智規(市立秋田総合病院外科) |
共同演者 |
添野武彦(市立秋田総合病院外科), 橋爪隆弘(市立秋田総合病院外科), 小松眞史(市立秋田総合病院消化器内科) |
抄録 |
症例は70代後半女性.XX年11月近医に救急搬送され胆嚢総胆管結石の診断でERCP施行後急性膵炎を発症.第3病日重症判定第6病日に出血傾向が増悪し当科に搬送された.重症度スコア17点APACHE-Hスコア20点だった.大量補液を開始し持続的血液濾過透析動注療法選択的消化管除菌早期経腸栄養を行った.25病臥にfine needle aspiratiQnでMRSAによる続発性膵感染(膵膿瘍+感染性膵壊死)と診断しUSおよびCTガイド下にドレナージし大量生食洗浄法(DL法)を開始したbしかしその後洗浄液に便汁が混入腹部膨満が悪化し45即日腹腔穿刺で便汁様排液あり.膿瘍腔が腹腔内に穿解したものと判断汎発性腹膜炎の状態と考えられたが全身状態不良のためまずUSガイド下に左孕結腸窩Douglas窩右側下面方向に向けて3本ドレーンを留置して拡張し腹腔内洗浄を試みた.状態安定を待って48廿日に開腹骨盤腔におよぶ後半な腸管膜内~後腹膜の壊死と腹膜炎の癒着のため小腸の挙上困難で口側肛門側に分けて各々に単孔目回腸人工肛門を造設した.極めて状態不良のため壊死物質除去は行わず前述のドレーンを30Frに交換するとともにDL法を継続した.術後は再び急性腎不全エンドトキシンショックになったが長時間PMX-DHPとCHDFで改善.しかし62病日より腹腔動脈と上腸間膜動脈領域複数個所におよぶ腹腔内仮性動脈瘤破裂による出血を繰り返すようになり動脈塞栓術による止血で対応.更に開腹創がし訂し空腸起始部をはじめとした複数個所の小腸の寸断により経腸栄養困難になった懸命の救命努力を継続したが94子日に死亡した.極めて治療に難渋しDL法等の保存的治療および外科的治療の適応と限界経腸栄養困難例の対応等検討を要する症例と考えられたため報告したい. |
索引用語 |
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