セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P134 多彩な膵外病変を合併した自己免疫性膵炎の一例 |
演者 | 大橋美穂(東京女子医科大学消化器内科) |
共同演者 | 清水京子(東京女子医科大学消化器内科), 鈴木大輔(東京女子医科大学消化器内科), 高山敬子(東京女子医科大学消化器内科), 千葉三千代(東京女子医科大学消化器内科), 小山祐康(東京女子医科大学消化器内科), 斎藤明子(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥敬子(東京女子医科大学消化器内科) |
抄録 | 自己免疫性膵炎(AIP)は多彩な膵外病変を合併する.今回AIPに硬化性胆管炎肝偽腫瘍ミクリッツ病を合併した症例について報告する.〔症例〕68歳男性〔既往歴〕62歳糖尿病〔家族歴〕姉:糖尿病〔アルコール〕ビール750ml/日×44年〔現病歴〕2004年より両顎下腺の腫脹を自覚し2005年より増大傾向であったため近医受診穿刺細胞診施行したところクラスIIであり経過観察となった.腹部エコーCTにてびまん性膵腫大胆嚢壁肥厚胆管拡張を認め自己免疫性膵炎が疑われ2007年1月当科初診E身体所見で両側眼瞼と両側顎下に圧痛のない弾性硬の腫瘤を触知し血液検査では肝胆道系酵素およびTグロブリン3.17g/d1IgG44912mg/dlと上昇を認めた.分画ではIgG41750mg/dlと高値でありERCPでびまん性主膵管狭細像下部総胆管と左右肝管起始部の狭窄を認め自己免疫性膵炎と診断した.またCTで肝S3SOLを認め生検で肝偽腫瘍と診断した.両側対称性の眼瞼と顎下の腫瘤はMRIで涙腺および顎下腺の腫大として見られた、ガムテスト抗SS-ASS-B抗体は陰性であったがシルマーチストローズベンガルテスト陽性であった.涙腺生検では極めて密なリンパ球浸潤と繊維化を顎下線生検ではさらにIgG4陽性形質細胞の浸潤を認めた.縦隔リンパ節腫大認めずサルコイドーシスやリンパ腫は否定され以上よりMikulicz病と診断したプレドニゾロン(PSL)30mg/日を開始したところ投与1日目より涙腺と顎下旧習張は速やかに改善し高γグロブリン血症肝胆道系酵素も著明な改善を認めた.PSLを漸減投与しその後のCTでは胆管拡張膵腫大も改善している.自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患と考えられ診断時には全身的な検索が必要である.IgG4関連硬化性疾患の膵外病変を合併した非常に興味深い症例であると思われる. |
索引用語 |