セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P136 経過中に多重複癌を合併した自己免疫性膵炎の1例 |
演者 | 新井修(倉敷中央病院消化器内科) |
共同演者 | 松枝和宏(倉敷中央病院消化器内科), 片山幸子(倉敷中央病院消化器内科), 平尾謙(倉敷中央病院消化器内科), 三好正嗣(倉敷中央病院消化器内科), 毛利裕一(倉敷中央病院消化器内科), 能登原憲司(倉敷中央病院病理検査科), 山本博(倉敷中央病院消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】近年自己免疫性膵炎の長期予後を考える上で悪性腫瘍の合併が問題視されるようになってきた.今回我々は経過中に腎孟癌膀胱癌胃癌の多重複癌を合併した自己免疫性膵炎(AIP)の1例を経験したので報告する.【症例】症例は68歳男性.2002年3月20日膵頭部腫瘤による閉塞性黄疸のため当科に入院したCT副膵のびまん性腫大ERCPで主膵管のびまん性狭細と肝門田胆管・下部総胆管狭窄を認めた.抗核抗体陽性取G4高値であり膵生検でリンパ球・IgG4陽性形質細胞浸潤と線維化の所見を認めたため硬化性胆管炎を伴うAIPと診断した.野外病変として後腹膜線維症間質性肺炎の合併もみられた.プレドニゾロン30mgより開始したところ膵管狭細思・膵腫大は軽度改善胆管狭窄は著明に改善しIgG4も低下傾向となった. AIP診断時に右腎野州を指摘され右腎右尿管全摘術を施行し移行上皮癌(G2 non-invasivepTa)であった2003年8月(AIP診断後1年5ヵ月)膀胱癌の診断で経尿道的膀胱腫瘍摘除術膀胱内BCG注入療法を受けた.2005年1月(AIP診断後2年10ヵ月)上部消化管内視鏡検査にて雪上後壁体下前壁に粘膜下層浸潤が疑われるHc病変を認め高分化腺癌の診断で当院外科にて胃全摘術を行なった.切除標本ではいずれも深達度SMの二重癌であり病期診断はpTINOMOstage IAであった. AIP発症後5年6ヶ月経過した現在再燃もなく生存中である.【結語】開静はAIP発症後引3年の間に多重複癌を合併したが文献報告上悪性腫瘍合併AIP例は膵癌2例胃癌1例尿管癌1例膀胱癌1例大腸癌2例が報告されているのみであるAIPと悪性腫瘍の合併に関連があるかどうかは現時点では不明であるが示唆に富む症例と考え若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |