セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P137 膵管の不整拡張像を呈した自己免疫性膵炎の2例 |
演者 | 平松万尚(岡山大学病院総合診療内科) |
共同演者 | 越智浩二(岡山大学病院総合診療内科), 水島孝明(岡山大学病院総合診療内科), 松下公紀(岡山大学病院総合診療内科), 浅野基(岡山大学病院総合診療内科), 立古浩雅(岡山大学病院総合診療内科), 小出典男(岡山大学病院総合診療内科) |
抄録 | 【症例1】72歳男性飲酒歴は機会飲酒程度.2003年膵腫瘍疑いで当科精査入院し膵管の拡張捨石を認め慢性膵炎と診断合併する平野糖尿病に対する治療のため外来通院中であった.2007年偶然発見されたIgG高値により自己免疫性膵炎(AIP)の可能性が疑われ再入院となった.IgG4値は867mg/d1と高値であり主膵管は頭部では狭細像体尾部では不整拡張像を認めた.2003年入院時と比較し膵腫大や一石の増大を認め肝外胆管の不整像の出現膵外病変(後腹膜線維症間質性腎炎)よりIgG4関連疾患と考えPSL30mg/日より治療を開始したところ2週間で膵腫大や膵管像の改善血清IgG4の低下を認めステロイド治療の有効性が確認された.【症例2】25歳男性で飲酒歴はない.2004年糖尿病を発症翌年他院で糖尿病教育入院した際に顎下腺の腫大を認めAIPの可能性を指摘されるが糖尿病以外の治療は受けていない.2007年近医で血清IgGの上昇を指摘され当科紹介入院となる.入院時の血清IgG4値は1640mg/dlと著明に上昇し顎下腺の生検ではIgG4陽性形質細胞とリンパ球の浸潤を認めた.膵臓はCTでは腫大は認めないが膵石を指摘されERCPでは頭部から体部にかけて主膵管の不整拡張像肝一部での胆管の不整狭窄像を認めたがAIPに典型的な膵管階層像は認めなかった. AIPの診断基準に合致しないがIgG4関連疾患の膵病変と考えPSL30mg/日の投与を行ったところ膵管の不整拡張像や胆管の不整狭窄像の改善顎下腺の腫大や血清IgG4値の改善を認めステロイド治療の有効性が確認された.【まとめ】AIPでは膵管の狭細像が特徴的所見とされていたが膵石や膵管の不整拡張像が病変の主体であり臨床経過(ステロイド治療に対する反応性血清IgG4値や膵外病変)よりAIPと考えられた2例を経験した. |
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