セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P141 縦隔リンパ節腫大多発肝腫瘤胆嚢炎および腹部大動脈周囲炎を伴った自己免疫性膵炎の1例

演者 松林宏行(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科)
共同演者 上坂克彦(静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科), 古川敬芳(静岡県立静岡がんセンター画像診断科), 佐々木恵子(静岡県立静岡がんセンター病理診断科), 蓮池典明(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 大竹陽介(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 山口裕一郎(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 池原久朝(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 滝沢耕平(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 角岡真帆(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 楠本浩一郎(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 田中雅樹(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 小野裕之(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科)
抄録 症例は62歳男性.2006年3月下旬に黄痘を発症し町医にて精査施行.下部胆管癌と多発肝転移の疑いと診断され同年4月に当院へ紹介された.来院時の血中CEA・CA19-9は正常好酸球23%lgG 1977mg/dL IgG4764mg/dl抗核抗体160倍と異常高値であった.腹部CT・USにて肝右葉に最大12mmの多発肝腫瘤胆嚢壁肥厚腹部大動脈壁肥厚および膵頭部の腫大を認めた.PET-CTではこれらの部位および縦隔リンパ節へのFDGの集積を認めた. ERCPにて膵頭体部の主膵管不整狭細像と下部胆管の高度の狭窄を認め同時に行った胆管生検・胆汁細胞診では腫瘍細胞陰性であったため自己免疫性膵炎と診断した.経ロステロイド投与を開始した3ヶ月後には上記画像所見は全て消失ないし縮小傾向を認めた.ステロイドに反応性であったことから多発性肝腫瘤は炎症性偽腫瘍と考えられた.自己免疫性膵炎(AIP)における膵外性病変は様々であり時に膵胆道腫瘍との鑑別診断が困難な例に遭遇する.多発肝腫瘤を合併した自己免疫性膵炎は稀であり興味深い症例と考え若干の文献的考察も踏まえて報告する.
索引用語