セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P144 日本の一般住民における上腹部症状のオーバーラップの検討

演者 山岸初志(東北大学病院消化器内科)
共同演者 小池智幸(東北大学病院消化器内科), 大原秀一(東北大学病院消化器内科), 阿部靖彦(東北大学病院消化器内科), 飯島克則(東北大学病院消化器内科), 今谷晃(東北大学病院消化器内科), 下瀬川徹(東北大学病院消化器内科)
抄録 【目的】日本の一般住民におけるGERD症状の頻度を10万人以上の多数例で検討した報告はない.一般住民に比較的近い集団と考えられる胃癌一次検診受診者を対象に胸やけつかえ腹痛の頻度及び各症状のオーバーラップを多数例で明らかにすることを目的とした.【方法】平成15年度宮城県対がん協会にて胃癌検診目的に間接胃レントゲン検査が施行された住民160983人(平均年齢61.9歳男性60774人女性100209人)を対象に問診表にて胸やけ及びつかえ感の頻度:を調査したまた上記より無作為に抽出した検診受診者82894人(平均年齢62.4歳男性34275人女性48619人)を対象に腹痛の頻度についても調査し胸やけつかえ腹痛3症状のオーバーラップについて検討を行った.【成績】胸やけは男性15.8%女性20.7%つかえ感は男性5.4%女性7.8%腹痛は男性6.6%女性9.6%とすべての症状の中で胸やけが有意に高頻度を示した.つかえをいつも自覚する対象における胸やけの頻度(男性43.7%女性53.8%)はつかえを全く自覚しない対象における胸やけの頻度(男性13.9%女性180%)に比較し有意に高値を示した.また腹痛をいつも自覚する対象における胸やけの頻度(男性47.3%女性53.0%)は腹痛を自覚しない対象における胸やけ頻度(男性13.8%女性17.7%)に比較し有意に高値を示した.【結論】一般住民に比較的近い集団と考えられる胃癌一次検診者におけるGERD症状(胸やけ)は約2割と高頻度に認められた.またGERDの定型症状である胸やけGERDの非定型症状であるつかえ腹痛の3症状がオーバーラップする例が多いことが明らかとなった.
索引用語