セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P148 糖尿病患者における逆流性食道炎の臨床的検討

演者 高橋祐幸(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座)
共同演者 清家正隆(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 井上恵(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 織部淳哉(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 針里栄(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 姫野克郎(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 吉松博信(大分大学医学部生体分子構造機能制御講座), 阿部信行(内科阿部医院)
抄録 【目的】近年逆流性食道炎患者数は増加傾向にある.一般的な逆流性食道炎については多数の報告がなされているが生活習慣病患者における逆流性食道炎に関してはあまり検討されていない.今回糖尿病患者において逆流性食道炎の診断方法である上部消化管内視鏡検査や問診票検査を行い統計的検討を行ったので報告する.【対象と方法】糖尿病専門外来であるA病院において2005年1月から2006年12月までの間に上部消化管内視鏡検:査を受けた567例(男性312例女性255例平均年齢65.4歳)を対象とした.またこのうち草野らによって考案されたFrequency Scale forthe Symptoms of GERD問診票(以下FSSGと省略)を行い回収できた208例についてさらに詳細に検討した.【成績】1.内視鏡的に逆流性食道炎が認められたのは567例中95丁目16.8%)でありロサンゼルス分類(改)でGrade M:51例Grade A:48例Grade B:5例Grade C:1例であった.2.FSSGの問診ができた208例(Grade M:36コ口 Grade A:15例Grade B:3例内視鏡的に正常:154例)のうち8点以上を認めたのは39例(18.8%)であった.3.208例を年齢性別BMIHbAlc罹病期間糖尿病性神経障害糖尿病性腎症糖尿病性網膜症便秘(消化管運動障害の指標として)の有無等の因子について内視鏡的な逆流性食道炎の有無で単変量解析したが有意差は認められなかった.4.FSSG8点以上の39例を同じように諸因子について内視鏡的な逆流性食道炎の有無で単変量解析したところ罹病期間の長いほうが症状が顕在化しないことが示唆された.【結語】糖尿病患者においては逆流性食道炎があっても糖尿病合併症により逆流症状が出現しにくいため無症状であっても積極的に内視鏡検査やPPI投与を行って診断治療を行う必要があると思われた.
索引用語