セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P149 咽喉頭異常感症におけるFスケールによる消化器症状調査-RabeprazoleFamotidineによる効果も含めて-

演者 井上和彦(松江赤十字病院総合診療科)
共同演者 小谷宏子(松江赤十字病院耳鼻咽喉科), 伊藤和行(松江赤十字病院耳鼻咽喉科)
抄録 胃食道逆流症(GERD)の食道外症状として注目されている咽喉頭異常感症の消化器症状をFスケールを用いて検討した.【対象と方法】2007年1月から10月に咽喉頭異常感を主訴に耳鼻咽喉科を受診した84例(男性33例女性51例21-85歳平均56.5歳)を対象とした.上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎の有無などを検討するとともに消化器症状をFスケールで検討した.そしてRabeprazole(RPZ)10mg/日あるいはFamotidine(FAM)40mg/日を投与し咽喉頭症状に対する効果をVisual Analogue Scale(VAS)で消化器症状に対する効果をFスケールで評価した.なお治療後のVASが前面の50%未満になった場合を有効とした.【成績と結論】内視鏡検査施行76例のうちgradeA以上の逆流性食道炎は8例(10.5%)であった.Fスケールは9.4±O.8であり酸逆流スコアは5.9±O.5運動不全スコアは3.5±0.4であった.Fスケール8点以上は46.4%(39/84)を占めた.FAM投与(14例)ではVAS(咽喉頭症状)は362±39㎜から16.1±3.6mmへと有意に鰭し鋤率は50%(7/14)であった.Fスケールも8.9±1.6から5.9±1.3へと有意に低下した.そのうち酸逆流スコアは5.8±L1から4.7±0.6へと有意に低下したが運動不全スコアは治療前3.1±1.0治療後2.9±α9であり有意差はなかった.一方RPZ投与(29例)ではVAS(咽喉頭症状)は35.8±46㎜カ・ら252±4.2mmへと有意に改善し有効率は41.4%(12/29)であった.Fスケールも8.8±1.3から5.6±0.8へと有意に低下した.酸逆流スコアは5.4±O.8から3.3±O.5へ運動不全スコアは3.3±O.6から2.4±0.4へといずれも有意に低下した.以上より咽喉頭異常感症の中にGERDによるものもあるがすべてではないことが明らかになった.また咽喉頭症状・酸逆流スコアに対してはFAMRPZともに有効であったが運動不全スコアに対してはRPZのみが有効であり興味深い結果であった.
索引用語