セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P150 慢性肝疾患患者のQOLに及ぼす症候性GERDの影響

演者 鈴木壱知(獨協医科大学越谷病院消化器内科)
共同演者 鈴木一義(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 市村博紀(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 岡茂樹(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 桑山肇(獨協医科大学越谷病院消化器内科)
抄録 【目的】慢性肝疾患はQOLが損なわれることが知られているが症候性GERDもQOLが損なわれることが知られている. QOLの評価法としてはSF-36が一般的に用いられているが症候性GERDにおいての検討は少ない.そこで今回われわれは慢性肝疾患患者を対象に症候性GERDのQOLに及ぼす影響について検討した.【方法】検討対象は追出医科大学越谷病院消化器内科に通院中の慢性肝疾患患者105名(CH80例LC25例)を対象とした.肝疾患の原因はHBV14例HCV91例である.症候性GERDはQUESTとFSSGで診断しQUESTは4点以上FSSGは8点以上で症候性GERDと診断した今回の検討では酸分泌に影響を及ぼすH2RAPPI投与中の患者は対照から除外した.またQOLの評価はSF-36(ver120)を用いた【結果】CHにおいてQUESTで症候性GERDと診断されたのは33.8%(27/80)LCでは24%(6/25)であった.またFSSGによる症候性GERDの診断ではCHで20%(16/80)LCでは16.7%(4/24)でありいずれの問診表においてもCHとしCの間で症候性GERDの合併率に有意な差はみられなかった. CHにおいてQUEST陽性群のうちFSSGも陽性群でVTSFREMHの4つのカテゴリーで有意の低下を認めた.QUEST陰性群においてもBPSFのカテゴリーでFSSG陽性群は低下していた.またいずれの問診表においても症候性GERD非合併と診断された群と比較して症候性GERD合併群(いずれかまたは両方陽性)でBPVTSFREMHのカテゴリーの有意の低下がみられたことから症候性GERDの合併は慢性肝疾患患者の身体的健康度よりも精神的健康度がそこなわれていた.【結論】慢性肝疾患において症候性GERDは比較的高率に合併し症候性GERDの合併は慢性肝疾患患者のQOLとくに精神的健康度を損ねている.
索引用語