セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P151 慢性咳嗽から咽喉頭異常感症に移行した興味ある胃食道逆流症(GERD)の一例

演者 松原英俊(滋賀医大総合診療部)
共同演者 井手克行(滋賀医大総合診療部), 竹内由紀子(滋賀医大総合診療部), 西山順滋(滋賀医大総合診療部), 田中努(滋賀医大総合診療部), 三ッ浪健一(滋賀医大総合診療部)
抄録 GERDは種々の食道外症状を来す疾患として注目されている.我々は(1)食道外症状患者は7%~19%しか胸焼け症状を感じない(2)咽喉頭異常感症患者は咳噺患者に比べ飲食に関する危険因子が少なく逆に寒さストレスを感じるなど自律神経の異常を疑う所見があるの2点を報告してきた.今回慢性咳吸から咽喉頭異常感その後自律神経症状も出現しGERD治療を行い速やかに改善した症例を経験したので報告する.症例=41才女性.【主訴】咽喉頭異常感【職歴】看護師【現病歴】X-2年夏より食欲増進大食で寝る直前まで食べていた.X-1年2月ひどい咳漱があり耳鼻科で異常なく咳喘息として加療したが全く改善なし.抗アレルギー剤で改善したがのどの不快感が始まる.喉頭鏡では異常なく放置.この後就寝時に微熱などを感じるとともにのどの締め付け感が更に辛くなった.X年7月起床後動悸があり出勤中に悪化.恐怖感は感じたものの冷静に自ら救急車を呼び洞性頻脈のみだった数日間休み勤務に復帰するも仕事中に動悸あり近医で漢方薬を処方されたが無効8/20より病欠.熟睡感消失.夜勤の前日は食べてすぐ寝起きた時心窩部がしんどくなる.X-1年夏上部消化管内視鏡検査で胃ポリープのみ.精査加療目的にて8/24本院受診.【所見】表情は明るい.口腔内・頸部・心音:異常なし.腹部:心窩部・傍膀部に軽度圧痛.【経過】食道症状はなかったが経過症状よりGERDを疑いPPIと酸中和剤を投薬生活指導を行った2週間後にはのどの違和感はかなり改善し動悸はほとんど消失し激しい勤務に就いても起こりにくくなった.夜勤をしても6週後には大きな状態の悪化は認めなかった.考案:1年以上の病態が劇的に改善しておりGERD治療が奏効したと考えた.発症が咳噺咽喉頭異常感とすすみその後自律神経失調症状にまで進展しており咽喉頭異常感症は咳漱症状を主訴とする患者に比べより複雑な病態を呈しているという我々の仮説を示唆する症例と考えられた
索引用語