セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P158 一般病院におけるNSAIDs長期服用患者の消化性潰瘍診療の現状

演者 櫻井伸也(奈良県立五條病院内科)
共同演者 森安博人(奈良県立五條病院内科), 中山進(奈良県立五條病院内科), 津呂公規(奈良県立五條病院内科), 竹田幸祐(奈良県立五條病院内科), 前川泰寛(奈良県立五條病院内科), 中谷吉宏(奈良県立五條病院内科), 松本昌美(奈良県立五條病院内科)
抄録 【目的】H.pylori(Hp)除菌療法が二次除菌も含めて保険適用となりNSAH)s服用歴のないHp陽性潰瘍は減少傾向にあるのに対してNSAIDs長期服用患者の潰瘍がその難治性と再発の多い点で問題となっている.今回高齢者の多い一般病院でのNSAH)s長期服用患者の消化性潰瘍診療の現状について検討する.【方法】最近4年間の上部消化管内視鏡検査でNSAIDs内服中に胃・十二指腸の潰瘍性病変を指摘された52例を対象として背景因子NSAmsの種類症状Hp感染の有無病変の性状抗潰瘍剤の予防的投与の有無治療について検討した.【成績】1)年齢は平均72.9歳男18例女34例であった.NSAIDs内服の基礎疾患は慢性関節リウマチが10例と最も多く他の整形外科的疾患が大半を占めた.合併症は高血圧が最も多く次いで糖尿病であった.2)NSAmsの種類はジクロフェナクが16例ロキソプロフェンが10例COX-2阻害剤が4例でステロイド併用は10例であった.3)自覚症状では心窩部痛が最も多かったが症状のない症例が約20%にみられ吐下血にて救急受診した症例も約20%あった.4)Hp陽性率は56%と一般の消化性潰瘍に比べ低い傾向にありHp除菌後は4例であった.病変としては胃潰瘍は29例十二指腸潰瘍は6例胃・十二指腸潰瘍は3例に認めた.5)抗潰瘍剤の予防的投与はほとんどの症例でなされておりH2プロッカ・一 50%胃粘膜保護剤46%PPI 7.7%であった.治療は主としてPPI投与で潰瘍は改善したがNSAIDs継続内服患者では治癒が遷延する場合もあった.【結論】NSAH)s長期服用患者の消化性潰瘍診療において保険診療範囲内の抗潰瘍剤による予防は困難である.潰瘍の予防・治療のため症例に応じてPPIの長期投与についても検討を要すると考えられた.
索引用語