セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P161 出血性胃十二指腸びらん・潰瘍における低用量アスピリンの関与-内視鏡的止血術施行例での検討-

演者 白石慶(社会保険小倉記念病院消化器科)
共同演者 吉田智治(社会保険小倉記念病院消化器科), 青山浩司(社会保険小倉記念病院消化器科), 浦山直樹(社会保険小倉記念病院消化器科), 藤本憲史(社会保険小倉記念病院消化器科), 久保善嗣(社会保険小倉記念病院消化器科), 小田原満(社会保険小倉記念病院消化器科), 飯田洋三(社会保険小倉記念病院消化器科)
抄録 【目的】出血性胃十二指腸びらん・潰瘍症例における低用量アスピリンの関与とその特徴を明らかにする.【方法・結果】対象は過去4年間に内視鏡的止血術を行った出血性胃十二指腸びらん・潰瘍症例計316例である.止血処置はクリッピングバンド結紮HSE局注ソフト凝固APCを単独または併用で行ったまず止血術における止血困難な要因を検討するために1回で止血可能であった268例と止血困難群1複数回の止血術を要した42例緊急手術や塞栓術を要した4例止血不能で術後早期に死亡した2例の計48例に分け多変量解析(Logistic回帰分析)を行った.血液透析(HD)施行出血部位が止血困難に及ぼす要因で低用量アスピリンの服用はその要因とはならなかった.次に低用:量アスピリン服用群(A群)その他のNSAID・抗血山薬服用群(B群)非服用群(C群)の3群に分け比較した.ABC群は各々132例(41.8%)68例(21.5%)116例(36.7%)で脳・心血管疾患に対する低用量アスピリンやその他の抗血鼻薬の服用例が多かった.アスピリンの使用量は40-100mg:93例101-300mg二39例でその他のNSAID・抗血栓薬との併用投与は77例(58.3%)であった.平均年齢はA群:71.37±10.0B群:70.26±1α8C群:62.56±12.4とAB群はC群に比べ高かった(p<00001).出血部位は各群共に胃体部に多く性別Forrest分類止血処置HDの有無については各群間で有意差は見られなかった.抗潰瘍薬の併用はAB群で各々44.1%38.6%の症例でなされていたが半量のH2受容体拮抗薬や防御因子増強薬がほとんどであった.【結論】低用量アスピリンの服用はt出血性胃十二指腸びらん・潰瘍に強く関与している.しかしその服用は止血困難な要因とはならない.
索引用語