セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P162 低用量アスピリン起因性潰瘍の臨床像についての検討-出血群と非出血群の比較-

演者 岩本淳一(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科)
共同演者 溝上裕士(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 下河辺宏一(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 伊藤真典(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 竹原央(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 平山剛(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 斉藤吉史(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 池上正(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科), 松崎靖司(東京医科大学霞ヶ浦病院消化器内科)
抄録 (目的)低用量アスピリン(以下L-Asp)起因性潰瘍が増加し特に出血性潰瘍では重篤な転機を辿る例もある.L-Asp起因性潰瘍での出血群の臨床的特徴について検討した.(対象)2002年1月から2007年9月に上部消化管検査は12120例で癩痕を除いた潰瘍は810例NSAIDs起因性は202例L-Asp起因性は56例であった.(方法)内視鏡施行時に吐血下血貧血を認めた例を「出血群」と定義した.L-Asp潰瘍56個月出血群と非出血群に分けて臨床学的特徴を比較検討した.検討項目1;両群の比率平均年齢性差L-Asp投与理由併用薬(抗凝固薬抗血小板薬等)潰瘍発生部位大きさ検討項目2:空腹時血糖(FBS)総コレステロール値(T-CHO)LDL値中性脂肪値(TG)HDL値(成績)検討項目1;L-Asp潰瘍56例で出血群は21例(37.5%)非出血群は35例(62.5%)であった.平均年齢は64.8連勝66歳性比(M/F)は出血群〉非出血群であった.投与理由は脳血管障害虚血性心疾患が多く同等であった.併用薬は出血群で24%非出血群で17%と出血群で多い傾向を示した.潰瘍発生部位は出血群では体部(38%)球部(24%)に多く非出血群では前庭部(34%)体部(31%)に多かった.潰瘍の大きさは礁5-10㎜が最も多くそれぞれ60%66%であった.欄項目2;出血群非出血群でBS Pt 1475mg/dl1359mg/dlT-CHO値159.5mg/dl162.4mg/dlLDL値89.6mg/dl86.8mg/dlTG値151mg/dl129.4mg/dlHDL値46Amg/〔ll56.5mg/dlといずれの項目も有意な差は指摘できなかった.(結論)L-Asp潰瘍のうち37.5%が出血性であり出血牲L-Asp潰瘍では男性に多く併用薬が多く発生部位は胃体部と師部に多かった今回の検討では血糖脂質等の生活習慣病関連検査値とL-Asp潰瘍の出血との関連は指摘できなかったが出血の頻度が高いだけに今後出血性L-Asp潰瘍のリスクについての検討を要する.
索引用語