セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P163 低容量アスピリン服用症例における粘膜傷害発生因子の多角的検討

演者 柴田知行(藤田保健衛生大学消化管内科)
共同演者 田原智満(藤田保健衛生大学消化管内科), 有沢富康(藤田保健衛生大学消化管内科), 大久保正明(藤田保健衛生大学消化管内科), 有馬裕子(藤田保健衛生大学消化管内科), 嶋崎宏明(藤田保健衛生大学消化管内科), 吉岡大介(藤田保健衛生大学消化管内科), 丸山尚子(藤田保健衛生大学消化管内科), 藤田浩史(藤田保健衛生大学消化管内科), 神谷芳雄(藤田保健衛生大学消化管内科), 鎌野俊彰(藤田保健衛生大学消化管内科), 中村雅彦(藤田保健衛生大学消化管内科), 中村正克(藤田保健衛生大学消化管内科), 長坂光夫(藤田保健衛生大学消化管内科), 岩田正己(藤田保健衛生大学消化管内科), 高濱和也(藤田保健衛生大学消化管内科), 渡邊真(藤田保健衛生大学消化管内科), 黒田誠(藤田保健衛生大学病院・病理部), 平田一郎(藤田保健衛生大学消化管内科)
抄録 低容量アスピリン(LA)による胃粘膜傷害の機序として好中球の浸潤による炎症の惹起とうっ血を主体にした粘膜傷害機序があげられているが実験的検討が多く実際の臨床面での検討は少ない.また全てのしA投与例に粘膜傷害が発生する訳ではなく危険群の同定が望まれる.【目的】今回我々はLA服用例の組織学的比較を潰瘍発生例と非発生例に分け検討を行った.またそれ以外の粘膜傷害発生に関連する因子の同定を試みた.【方法】対象は当科にて上部消化管内視鏡検査を受け生検同意の得られたLA服用患者24例(男19例女5例平均年齢68.0歳).方法として内視鏡施行時に前庭部大袖から生検を施行しUpdated Sydney Systemを用いて病理学的に好中球浸潤単核球浸潤萎縮度腸上皮化生についてスコア化したまたHpylori(HP)感染の有無LA服薬年数基礎疾患も確認した.【結果】潰瘍患者(U)は12名(男9例女3例)で非潰瘍患者(NU)も12名(男10例女2例)であった.平均年齢に有意差は認めなかった。基礎疾患として冠動脈疾患(CHD)が70.8%と最も多く以下脳梗塞DMASO等であった.CHDの比率に差は認めなかったLA内服歴はU群で60年とNU群の4.6年に比し長い傾向を認めたが有意差は認めなかった.HP感染はU群で11例とNU群の5例に比し有意に高率であった.各病理学的検討では両群にスコアの有意な差を認めなかった.【結論】今回の検討では好中球浸潤の程度などの差は有意ではなくHPが関与する粘膜傷害や潰瘍発生の可能性が示唆され今後臨床検体を用いた更なる検討が必要であると考えられた
索引用語