セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P165 低用量アスピリンによる胃粘膜傷害に対する抗潰瘍薬の有用性

演者 吉野廉子(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科)
共同演者 中島さやか(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科), 今井幸紀(埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】Metabolic症候群の増加と人口の高齢化に伴って低用量アスピリン(L-A)による胃粘膜傷害の実態を明らかにしその予防法を確立することが求められている.この目的でretrospectiveおよびpro-spectiveな検:討を実施した.【方法】(1)2001年2月から2006年9月に上部内視鏡検査を実施した症例でL-Aを内服していた68例を対象とした.胃粘膜病変をLanzaスコアに従って分類し抗潰瘍薬の有無や種類による差異を検討した.(2)同時期に入院した出血性潰瘍症例でL-Aを内服していた31例を対象とした.これらをプロトンポンプ阻害薬(PPI)群とfa皿otidine群(40mg)に無作為に割り付けL-A継続下で8週後以降の潰瘍治癒率を比較した.【結果】(1)抗潰瘍薬を内服していなかった34例のスコア(平均±SD)は4.7±1.0防御因子製剤内服群10例は4.3±1.6H2受容体拮抗薬(H2RA)群16例は1.9±2.3.PPI群8例は1.0±1.9でありH2R.A群およびPPI群のスコアが有意に低値であった.H2RA群とPPI群抗潰瘍薬を内服していない症例と防御因子製剤群のスコアには有意差を認めなかった(2)潰瘍治癒率はPPI群(18例)が100%famot量dine群(13例)が92%で差異は認められなかった.【結謝L-Aによる胃粘膜傷害の予防治療には防御因子製剤は無効である.PPIないしH2RAを投与する必要があるが両者の有用性には差異は認められないと考えられた.
索引用語