セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P166 興味ある進展形式を示した胃扁平上皮癌と胃腺扁平上皮癌の2症例

演者 中村とき子(国立病院機構北海道がんセンター消化器科)
共同演者 櫻井環(国立病院機構北海道がんセンター消化器科), 大久保俊一(国立病院機構北海道がんセンター消化器科), 藤川幸司(国立病院機構北海道がんセンター消化器科), 新谷直昭(国立病院機構北海道がんセンター消化器科), 高橋康雄(国立病院機構北海道がんセンター消化器科), 濱田朋倫(北海道がんセンター外科), 山城勝重(北海道がんセンター病理)
抄録 症例1.67歳男性.近医にて胃体部の隆起性病変を指摘され2度生検施行されるも診断に至らず精査目的に当科入院.胃体部大虚にSMT様の隆起性病変認め隆起の表面粘膜は正常粘膜で覆われ病変の境界は不明瞭であった.表面のわずかな陥凹より生検を施行したところ扁平上皮癌であった.精査にて#4d胃大船リンパ節の腫大を認める以外腫瘍性病変は認めず胃扁平上皮癌と診断し胃全摘D1郭清胆嚢摘出術を施行.手術標本では腫瘍のサイズは40 × 50mm病変は固有筋層が主体で進達度はpT2(mp).表面は殆ど正常粘膜で覆われており一部露出していた.#16b1にも転移が認められT2N3にてpstage IVであった.病理標本では胃の病変は扁平上皮癌のみで構成されていたがリンパ節は粘液豊富な腺癌であった十分に検索するも胃病変内には腺癌組織は認められなかった.症例2.62歳男性.健診のPETにて胃に集積を認め精査加療目的に当院紹介となった. ECJより2.Ocm肛門側の体上部小蛮にHcを認め生検結果はtub2~por.転移性病変を認めず胃全摘Dlb+#11p郭清胆嚢摘出を施行した.手術標本では腫瘍のサイズは30x24mm進達度はpT2(ss).粘膜面はadenocarcinomaであったが浸潤部はsquamous cell carcinomaであった#1.#3.リンパ節に転移を認め転移はすべてadenocarcinomaであった.本来扁平上皮を有しない胃粘膜から扁平上皮癌が発生する病因に関しては一定の見解はないが胃腺癌から扁平上皮癌への分化とする報告が多い.我々の2症例はいずれもリンパ節が腺癌であり原発巣の病理組織学的所見から胃腺癌から扁平上皮癌への分化を示唆する興味ある症例と考えられた.
索引用語