セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P172 PEG(Introducer法)と異時多発早期胃癌に対してEMRを同時に行った1例

演者 竹内弘久(杏林大学医学部外科)
共同演者 阿部展次(杏林大学医学部外科), 乾俊哉(杏林大学呼吸器内科), 岡野晴子(杏林大学脳卒中科), 柳田修(杏林大学医学部外科), 正木忠彦(杏林大学医学部外科), 森俊幸(杏林大学医学部外科), 杉山政則(杏林大学医学部外科), 跡見裕(杏林大学医学部外科)
抄録 脳血管疾患後遺症の嚥下障害による栄養投与法として近年PEGが普及しているまた胃癌に対する内視鏡治療の適応拡大に供ない異議多発病変の存在が重要になっている今回我々は脳梗塞後嚥下障害ならびに異時多発早期胃癌を合併しPEGおよびEMRを同時に行った症例を経験したので報告する1症例】70歳代男性平成13年11月早期胃癌でESD施行[体中部隠勢適応拡大病変完全治癒切除]の既往あり.最近2年間は内視鏡観察せず平成19年5月急性の意識障害が出現しCT/MRI検査で多発脳梗塞の診断にて緊急入院となった.脳梗塞後遺症による嚥下障害でPEGを施行する方針となった.7月上旬PEG目的で胃内を観察した所遺残再発認めないが前庭部小過にHa+IIc病変を認めこの時は生検のみ行い終了した.生検の結果高分化型腺癌の診断を得て7月中旬EMR先行PEGを同時施行した胃癌病変はEMRにより根治切除し得た[病理診断:病変径1.6cmtub1depth mIyOvOLM(一)t VM(一)].術後経過良好で現在リハビリ病院へ転院し加療中である【考察】早期胃癌EMR後多発癌の頻度は約10~15%であり初回の治療後から5年以内の発生がほとんどであると言われているしかし本症例の様に5年以上さらには10年以上経過後にも多発癌症例の報告があり5年以上経過後も定期的な内視鏡観察の必要性があると考えられた.また本症例のPEG法としてlntroducer法を選択する事でEMR施行後視野が変わる事なく(内視鏡の抜去再挿入を必要としないため)短時間かつ安全にPEGを施行できた.胃癌を根治切除したことによりその後の胃癌による出血・狭窄のリスクが無くなったまた再度多発癌発生の可能性はあるがその頻度は極めて低く内視鏡による頻回な検査の必要性も無くなり本症例にとって十分な利益が得られた.胃癌既往のPEG症例に対しては多発癌の存在を考慮する必要がありEMR/ESDを同時に行う場合は造設法としてlntroducer法が有効であると考えられた.
索引用語