セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P175 病原性大腸菌感染を合併し健常人に発症したクリプトスポリジウム症の一例 |
演者 | 岩井啓一郎(敬天会東和病院消化器科) |
共同演者 | 古賀秀樹(九州大学病態機能内科学), 松本主之(九州大学病態機能内科学), 新井明治(産業医科大学免疫寄生虫学), 清水少一(産業医科大学免疫寄生虫学), 金澤保(産業医科大学免疫寄生虫学), 谷本昭英(産業医科大学第2病理学), 八尾隆史(九州大学形態機能病理学), 飯田三雄(九州大学病態機能内科学), 東泰宏(敬天会東和病院消化器科) |
抄録 | 症例は30歳代女性.平成19年5月2日より韓国に旅行し生の魚介類や野菜を摂取した。5月5日に帰国しすぐに下腹部痛を自覚した.翌日から水様下痢と嘔吐も伴ってきたため5月7日に当院を受診した.便培養にて病原性大腸菌(0-157)が検出されたがベロ毒素は陰性であった.レボフロキサシンの内服で腹痛は徐々に改善し血液学的炎症所見もほぼ正常化した甑1日3-4行の水様下痢が遷延したため5月14日大腸内視鏡検査を施行した.大腸には異常を認めなかったが回腸末端に全周性の発赤浮腫と一部にはアフタ様びらんを認め同部の生検から小腸刷子縁に沿ってクリプトスポリジウムの虫体が確認された.経口小腸造影では終末回腸に浮腫像を認めた.便の薦糖遠心沈殿浮遊法および抗酸染色にてクリプトスポリジウムのオーシストを検出しHIV抗体陰性CD 4/8比が正常であったことより健常人に発症したクリプトスポリジウム症と診断した.5月21日よりアジスロマイシンを投与したところ速やかに下痢は改善した.クリプトスポリジウム症は人獣共通感染症で下痢を主症状とする新興原虫疾患であるがAIDS患者などの免疫不全状態に高頻度に発症し重篤化することから近年注目を浴びている.旧例は健常人に発症し十分な画像診断がなされた興味深い症例と考えられ若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |