セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P177 輪状潰瘍を呈したNSAID起因性小腸潰瘍の1例 |
演者 | 吉野修郎(松山赤十字病院胃腸センター) |
共同演者 | 蔵原晃一(松山赤十字病院胃腸センター), 小林広幸(松山赤十字病院胃腸センター), 堺勇二(松山赤十字病院胃腸センター), 石橋英樹(松山赤十字病院胃腸センター), 川崎啓祐(松山赤十字病院胃腸センター), 砂原賢士(松山赤十字病院胃腸センター), 青見賢明(松山赤十字病院胃腸センター), 渕上忠彦(松山赤十字病院胃腸センター) |
抄録 | 症例は55歳女性関節リウマチ患者.3年前より関節痛のためam・piroXicam(27mg/day)を内服中であった.既往歴として過去2年間に2回消化管出血を主訴に近医入院し上部および下部消化管内視鏡検査を施行されたが出血源は同定されなかった.今回原因不明の貧血(Hb 4.3g/dl)と便潜血陽性を主訴に当科入院となった.上部および下部消化管内視鏡検査では明らかな出血源は認めなかった.小腸からの出血を疑い経肛門的にダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)を施行し回盲弁より40~70cm皿盛の回腸のケルクリングひだ上に2箇所の境界明瞭な輪状潰瘍を認めた.同潰瘍は小腸造影検査でケルクリングひだに一致する幅の狭い輪状のニッシェとして描出された.同部位の生検組織では非特異的炎症細胞浸潤を認めるのみで細菌培養検査も陰性であったことからNSAID起因性小腸潰瘍を疑い㎜piroxicam内服を中止した.その後貧血は改善傾向となりNSAID投与中止8週後に施行した小腸造影検査で潰瘍性病変の治癒傾向を確認しNSAID起因性小腸潰瘍と面出した.【考察】近年DBEやカプセル内視鏡によって診断されたNSAID起因性小腸潰瘍の報告例が散見されるDBEにおける患者の負担や狭窄性病変でのカプセルの滞留を考慮すると比較的簡便かつ安全に施行可能な小腸造影検査も本症の診断および経過観察に有用であると考える.今回我々が経験した1例はNSAID起因性小腸病変診断のストラテジーを考える上でも示唆に富む症例と考え文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |