セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P179 小腸イレウスをきたしたメッケル憩室の一例

演者 大西勝博(神鋼会神鋼病院消化器科)
共同演者 芦田兆(神鋼会神鋼病院消化器科), 東田明博(神鋼会神鋼病院消化器科), 千田永理(神鋼会神鋼病院消化器科), 奥谷俊夫(神鋼会神鋼病院消化器科), 山田元(神鋼会神鋼病院消化器科), 藤本康二(神鋼会神鋼病院外科), 坂野茂(神鋼会神鋼病院外科)
抄録 症例は44歳男性.平成19年6月13日心窩部が痛出現し同16日近医を受診.その後も症状は改善せず嘔気も伴い18日に当院紹介となった.腹痛右下腹部に圧痛あり.血液検査所見で軽度の炎症反応を認めた.レントゲンは小腸ガスがみられニボーを伴っていた.腹部エコーでは回盲部より約5cm口幅のところまで小腸が拡張し肛門側は虚脱していた.腹部造影CTではほぼ全域で小腸は拡張し大腸の拡張は見られず小腸イレウスの診断にて入院.入院後イレウスチューブを挿入し減圧をおこなった.3日後イレウスチューブから造影をしたところチューブ先端部の小腸に狭窄部位があり狭窄すぐ肛側に憩室がみられた.メッケル憩室を疑い翌日99mTcシンチを施行したが集積はみられなかった.下部内視鏡検査では回盲弁から約10cmの部位で小腸が狭窄しファイバーは通過しなかった.造影したところ回盲弁から10cmの狭窄部位と憩室付近の狭窄部位とは近接しており憩室が閉塞の原因であると診断した.完全閉塞ではないため保存的治療を継続したが閉塞の解除は得られず入院8日目外科に転科し試験開腹を行った.手術所見は回盲部から口側90cmの部位に憩室を認め索状物によりヘルニア門を形成し回腸末端から口占10cmから憩室部までの回腸が嵌入していた.イレウス解除術(小腸部分切除)を施行し術後20日で退院となった.憩室は病理組織でメッケル憩室と診断された.今回われわれはメッケル憩室により腸閉塞きたした症例を経験した.若干の文献考察を加えて報告する.
索引用語