セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P182 腹腔鏡下手術を施行した空腸多発憩室穿孔の1例

演者 中川朋(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科)
共同演者 水島恒和(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 位藤俊一(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 水野均(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 宇田津有子(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 岡澤美佳(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 杉村啓二郎(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 友國晃(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 楠本英則(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 岸本朋也(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科), 今北正美(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院検査科), 伊豆蔵正明(りんくう総合医療センター市立泉佐野病院外科)
抄録 【はじめに】Meckel憩室を除く小腸憩室はまれな疾患である.空腸多発憩室の穿孔に対し緊急手術を施行し良好な経過を得た症例を経験したので報告する.【症例】症例は69歳女性.07年8月間当院整形外科で慢性関節リウマチによる外反母趾の術前検査を施行された.胸部レントゲン撮影で横隔膜下に腹腔内遊離ガス像を認め当科紹介となった.腹部は平坦で柔らかく.圧痛筋性防御および反跳痛を認めなかった.WBC 7130/plCRP 1.2mg/dlと軽度のCRP上昇を認めるのみであった.腹部CT検査上骨盤内に腹腔内ガス像の広がりを認めた.このガス像と周囲の回腸S状結腸内のガスとの境界が不明瞭であり下部消化管穿孔を否定しえなかった.緊急入院の上同日緊急手術を行った.腹腔鏡下に観察したところ腹腔内全体に少量の泡立った腹水を認め消化管は全体的に拡張していた.Treitz靭帯から約25cmの部位から約65cmにわたって腸皆労側に大小多数の空腸憩室を認めた.この部位以外には明らかな病変を認めなかった.明らかな穿孔部位は確認できなかったものの空腸憩室穿孔が強く疑われた.憩室の存在する空ee 65cmを切除した.病理検査にて空腸腸間膜側に粘膜層が筋層を越えて突出する部分を多数認め空腸憩室と診断された.術後経過は良好で特に合併症を認めず術後14日目に退院となった.【まとめ】小腸憩室はまれな疾患であるが自験例のように憩室穿孔により下部消化管穿孔との区別が困難な場合もあり消化管穿孔の鑑別疾患として常に念頭に置く必要があると考えられた.
索引用語