セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P184 小腸壁内血腫による腸管狭窄を認めたAnticoagulat Ileusの2例

演者 茂森昌人(自治医科大学内科学講座消化器内科部門)
共同演者 仲谷朋久(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 吉澤充代(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 本田哲朗(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 北出卓(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 津久井大介(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 坂本博次(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 岩下裕一(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 新城雅行(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 矢野智則(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 砂田圭二郎(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 岩本美智子(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 宮田知彦(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 山本博徳(自治医科大学内科学講座消化器内科部門), 菅野健太郎(自治医科大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 【はじめに】急な腹痛を契機に発見されたAnticoagUlant lleusの2例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.【症例1】57歳男性.23年前に大動脈弁置換術施行後ワーファリン内服中.2002年9月に腹部膨満感悪心嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した腹部単純X線でイレウスと診断し入院となったPTn収五〇であり抗凝固過剰の状態であった。また四肢体幹に皮下出血斑を認めた.腹部造影CT腹部エコーでTreitz靱帯近傍の空腸に腸管壁の肥厚と狭窄を認めた.入院5日目に経口的ダブルバルーン内視鏡を施行したtTreitz靱帯から肛門側約15cmに渡り全周性の粘膜発赤浮腫を認め粘膜下血腫も散見された病変部の病理組織学的検査にて小腸国内血腫と診断した保存的加療により速やかに症状の改善を認めた【症例2】67歳女性.13年前にASOでバイパス手術施行後ワーファリン内服中.2007年9月少量のタール便腹痛が出現2日後腹痛の悪化および騰周囲部下肢の皮下出血斑を認め当院救急外来受診した腹部単純X線でイレウスと診断し入院となった.PT INR11であり抗凝固過剰の状態であった.腹部造影CT腹部エコーで空腸に腸管壁の肥厚と内腔の狭窄周囲の腸間膜の肥厚を認めた.その部位は腹部正中の手術痕に一・Skした部位で腹壁と癒着していると考えられた保存的加療により速やかに症状の改善を認めた【考察】小腸胃内血腫の原因として過度の抗凝固状態を背景にTreitz靭帯や術後の癒着など小腸が固定されている部位を支点にして何らかの物理的刺激が加わることが原因と考えられた.【結語】抗凝固過剰状態を伴う急性小腸イレウスではAnticoagUlant ileusを念頭に置いて画像診断を行い外科的なイレウス解除術ではなく保存的治療を選択することが重要と考えられた.
索引用語