セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P186 経動脈的血栓溶解療法が奏効した上腸間膜静脈血栓症の2症例
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演者 |
錦織英史(新別府病院・消化器科) |
共同演者 |
杉田光司(新別府病院・消化器科), 後藤康彦(新別府病院・消化器科), 沖田敬(新別府病院・消化器科), 中川晴雄(新別府病院・消化器科), 香川浩一(新別府病院・消化器科) |
抄録 |
〔症例1〕71歳女性主訴は発熱腹痛全身倦怠感.2006年7月1日より心窩部痛あり4日に受診したが他覚的所見に乏しく内服薬にて帰宅した.しかし症状が続き7日には発熱と全身倦怠感が出現し再受診した.体温40℃収縮期血圧80mmHg右下腹部に圧痛を認めた.血液検査で炎症反応の上昇と血小板減少を認めCTにて上腸間膜静脈(SMV)月内から門脈合流部まで連続する血栓を認め一部にガス像を伴っていた.また上行結腸に憩室を認め憩室炎の波及によるSMV血栓症が疑われた. SMV血栓症とそれに伴う敗血症性ショックDICSIRSと診断した急性腎前性腎不全に対し持続血液濾過透析(CHDF)を行いメシル酸ナファモスタット抗生物質を投与した.血栓に対しては上腸間膜動脈(SMA)にカテーテルを留置してウロキナーゼ48万U/dayを持続投与しヘパリンの経静脈投与を併用した.その後は血栓は縮小傾向を示しワーファリンの内服へと移行した.治療開始から約1ヶ月で血栓はほli硝失し退院となった.〔症例2〕65歳男性主訴は腹痛嘔吐発熱.2006年12月2日嘔吐を主訴に近医受診.内服加療で改善がなく腹痛発熱が出現したため5日に当院を紹介受診した.血液検査では炎症反応高値を認めt造影CTにて腸管の走行異常とSMVに静脈炎を伴う血栓を認めた腸回転異常症を原因としたSMV血栓症と診断した.腸管壊死は認められずSMAへ留置したカテーテルからのウロキナーゼ投与と経静脈的ヘパリン投与を開始した.血栓は徐々に縮小傾向を認めワーファリンの内服へと移行した治療開始から約1ヶ月で血栓はほぼ消失し退院となった2症例ともに現在まで再発は無く外来経過観察中である〔考察〕上腸間膜静脈血栓症は比較的まれな疾患であり診断が遅れる傾向にある.腸管壊死に陥ると外科的治療を要するがこの場合の死亡率は57.9%との報告がある.今回経動脈的血栓溶解療法を主体とする保存的加療が奏効した2症例を経験したので文献的考察とともに報告する |
索引用語 |
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