セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P191 LPS toleranceによるマウス実験腸炎の抑制

演者 斎藤桂悦(福島県立医科大学内科学第二講座)
共同演者 片倉響子(福島県立医科大学内科学第二講座), 管野香(福島県立医科大学内科学第二講座), 鈴木良磨(福島県立医科大学内科学第二講座), 大平弘正(福島県立医科大学内科学第二講座)
抄録 【背景】潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性肝疾患(IBD)は衛生環境の改善に伴い発症率が増加しておりいわゆる“hygiene hy-pothesis“が発症要因の一つと考えられている.これまでの報告では自然免疫の認識機構の一つであるToll-like receptor4(TLR4)の活性化が腸炎発症に関与しまたマウス実験腸炎モデルのDSS腸炎ではTLR4のligandであるLPSにて増悪することが報告されている.一方TLRにおいてはLPSによるtoleranceの機構が明らかになっていることより我々は腸粘膜において細菌(LPS)の繰り返し刺激により腸炎が抑制されているのではないかあるいはLPSによる暴露が減ることでtoleranceが誘導されなくなり]BDが発症するのではないかと考えた.【方法】1)マウスにDSSを自由飲水させ腸炎を発症させた.腸炎の評価にはDisease Activity lndexMPO assayHistologicalScoreを用いLPS投与によりマウス実験腸炎が抑制できるかを試みた.2)マウスのBone Marrow Derived Dendritic Cell(BMDC)を用いてLPS toleranceの誘導を確認した.3)BMDCを用いてLPS toler-anceに関与する抑制因子を検討しマウス実験腸炎モデルにおける発現を検討した.【結果】1)LPSの連日投与にてDSS腸炎は抑制された.2)LPS toleranceによりBMDCからのTNF一αIL-6産生低下を認めた3)LPS toleranceにはIRAK-Mの関与が考えられ腸炎抑制に働くことが予想された.【結語】腸炎はLPS toleranceにより抑制されLPS toleranceにはTLRシグナル伝達の抑制因子であるIRAK-Mの関与が考えられた.
索引用語