セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P193 腸炎惹起性メモリーCD4+T細胞の加齢に伴う抑制性細胞へのコンバージョン

演者 戸塚輝治(東京医科歯科大学消化器内科)
共同演者 金井隆典(東京医科歯科大学消化器内科), 根本泰宏(東京医科歯科大学消化器内科), 富田貴之(東京医科歯科大学消化器内科), 渡辺守(東京医科歯科大学消化器内科)
抄録 【目的】炎症性腸疾患慢性化に腸炎惹起性メモリー(記憶)CD4+T細胞が重要な役割を担うことが推定されるが本細胞の自然史については不明である.本研究ではCD4+CD45RBhigh移入SCIDマウス大腸より粘膜内(LP)CD4+T細胞をSCIDマウスの腹腔内への移入を繰り返すCD4+T細胞加齢システムを構築し本細胞の加齢に伴う性状の変化を検討した.【方法】(1)CD4+CD45RBhigh移入SCIDマウス大腸炎発症大腸より分取したLPCD4+T細胞を再度SCIDマウスの腹腔内に移入SCIDマウスへのLPCD4+T細胞移入を繰り返し大腸炎の発症を経時的に検討した.また同時にIFN一’yTNF一αIL-17などTh1Th17サイトカインの産生能を検討した.(2)SCIDマウスへのLPCD4+T細胞移入を繰り返し1世代で腸炎発症したマウスLPCD4+T細胞7世代で腸炎未発症マウスLPCD4+T細胞をnaiveCD4+CD45RBhighT細胞と共移入し大腸炎抑制能を検討した.【結果】(1)SCIDマウスへのLPCD4+T細胞移入を繰り返すことにより大腸炎発症までの期間が延長した。また6世代までは全例腸炎を発症したが7世代以降は腸炎未発症マウスが出現し大腸炎発症率も減少した.7世代マウスは腸炎発症未発症に関わらずThlTh17サイトカイン産生が低下した.(2)1世代LPCD4+T細胞を共移入した群は大腸炎を発症したが7世代LPCD4+T細胞を共移入した群は腸炎を発症しなかった.【結論】腸炎惹起性メモリーCD4+T細胞の加齢に伴い大腸炎抑制能を獲得し炎症性腸疾患において腸炎惹起性メモリー一 CD4+T細胞の加齢を利用した新たな治療法の可能性を示唆した.
索引用語