セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P195 炎症性腸疾患に見られるガラクトース欠損IgGによるマクロファージ機能への影響の解析

演者 飯島英樹(大阪大学消化器内科学)
共同演者 新崎信一郎(大阪大学消化器内科学), 中島佐知子(大阪大学消化器内科学), 柄川悟志(大阪大学消化器内科学), 近藤純平(大阪大学消化器内科学), 石井修二(大阪大学消化器内科学), 由雄敏之(大阪大学消化器内科学), 西田勉(大阪大学消化器内科学), 垣内佳美(大阪大学消化器内科学), 考藤達哉(大阪大学消化器内科学), 辻井正彦(大阪大学消化器内科学), 辻晋吾(大阪大学消化器内科学), 三善英知(大阪大学保健学科糖鎖診療学), 林紀夫(大阪大学消化器内科学)
抄録 【目的】我々は炎症性腸疾患患者特にクローン病患者の血清においてIgGに結合する二二の解析を行いこれらの患者で健常者に比しIgG結合糖鎖にガラクトースが欠損していることを報告してきたしかしながらガラクトース欠損によるIgGの機能変化については明らかでない.そこで抗体依存性食細胞機能に対するIgGのガラクトース欠損の影響を検討した.【方法】抗ヒツジ赤血球抗体に対しβ一ガラクトシダーゼを反応させガラクトース欠損抗体を作成した.蛍光ラベルしたヒツジ赤血球とガラクトース欠損あるいは通常型抗ヒツジ赤血球抗体を30分反応させた.その後それぞれの抗体反応後のヒツジ赤血球とヒト単球様細胞株THP-1細胞と24時間培養しヒツジ赤血球細胞を貧食したTHP-1細胞の割合をフローサイトメトリーを用いて比較した.また培養上清中のサイトカインをELISA法により測定した.【成績】ガラクトース欠損抗ヒツジ赤血球抗体ではTHP-1細胞のうち蛍光陽性細胞が平均84.3%であったのに対し通常型抗体においては729%でありヒツジ赤血球取り込み細胞の割合はガラクトース欠損抗体において通常型抗体に比し有意に高かった(p〈0.05).サイトカイン産生についてはtumor necrosis fac-tor(TNF)一ctt interleukin(IL)一1βIL-6IL-10の産生に門門で有意な差を認めなかった.【結論】ガラクトース欠損IgGは通常型IgGに比して抗原・抗体複合体のマクロファージへの取り込みが上昇していることが明らかになった.炎症性腸疾患の病態とガラクトース欠損IgGによる免疫現象の関連について更なる検討が必要である.
索引用語