セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P196 クローン病患者のマクロファージは脂質に過剰応答する

演者 鳥巣剛弘(九州大学病態機能内科)
共同演者 松本主之(九州大学病態機能内科), 江崎幹宏(九州大学病態機能内科), 飯田三雄(九州大学病態機能内科)
抄録 【目的】クローン病と脂質の関係は疫学的に食生活の欧米化に伴い患者数が増加していることや。栄養療法で脂質の多い製剤は緩解率が低下することから高脂質はクローン病に何らかの悪影響を及ぼすことが考えられる.また魚油が治療効果を持つとの報告もある.しかしいずれもメカニズムについては不明な点が多い.そこで我々はクローン病患者からマクロファージを単離し脂質による影響を検討した.【方法】九州大学病院に外来通院中で研究参加に同意したクローン病患者を対象とし健常ボランティアをコントロールとして比較した.採血検体からマクロファージを採取・培養しオレイン酸リノール酸、リノレイン酸で刺激した.細胞上清のサイトカイン産生をELISA法で行い活性化マーカーをフローサイトメトリーで検討した.【結果】クローン病患者と対照者でマクロファージ活性化マーカーのCD80とCD86の発現に差はなかった.クローン病患者では対照者よりもオレイン酸およびリノール酸刺激に対する炎症性サイトカイン(TNFαIL-23>の産生が二進していた.また炎症抑制工サイトカインであるIL-10の産生もクローン病患者で三二していた.一方クローン病患者と対照者においてリノレイン酸刺激後にTNFα産生が抑制されたが抑制の程度はクローン病患者で低かった.【結語】クローン病患者の高サイトカイン血症に食物脂質が関与する可能性が示唆された.
索引用語