セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P197 潰瘍性大腸炎におけるストレス不適応の検討
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演者 |
黒木司(佐賀大学医学部内科) |
共同演者 |
岩切龍一(佐賀大学医学部内科), 藤瀬剛弘(佐賀大学医学部内科), 下田良(佐賀大学医学部内科), 綱田誠司(佐賀大学医学部内科), 藤本一眞(佐賀大学医学部内科) |
抄録 |
[目的]潰瘍性大腸炎はストレス関連疾患の一つでありストレスが腸炎増悪の誘因のひとつと考えられている.ストレス対処機構として神ff ・内分泌・免疫系を介したホメオスタシス維持機構が存在する今回は潰瘍性大腸炎において視床下部一下垂体一命腎系(HPA-axis)を含む神経・内分泌・免疫系の障害が存在するのかそれに関連して患者はストレス対処能力が劣っているのかストレスにより病態は悪化するのかを検討した.[方法]対象は潰瘍性大腸炎患者57名で外来(42名)・入院(15名)を対象としたさらに健常人(21名)を正常対象にした.アンケート調査では一般性セルフエフィカシー(GSES:行動に対する自信の程度を示す指標)とコビアレンス感(SOC lストレス対処能力を示す指標)自覚ストレス調査(JPSS)を行ったストレスや炎症の指標となるコルチゾールACTHCRHβ一エンドルフィンTNF-ctIL-6を測定した.さらに入院患者と健常人に対しては10分間の計算負荷(6桁の数字の逆唱を5分間暗算を5分間)を行った後にストレス指標の変化を検討した.[結果]アンケートの結果ではセルフエフィカシーが患者群で有意に低下していた.ACTHβ一エンドルフィンIL-6が患者群で健常群より有意に高かった.健常群において自覚ストレス度が高い者やコビアレンス感が低い者ではコルチゾールレベルが有意に高かったが患者群にはこのような差はみられなかった.計算負荷の前後で健常群ではいずれの指標においても有意的変化はみられなかったが患者群では1レ6が有意に上昇した.[結論]アンケートとストレス指標から患者はストレス対処に問題が認められた神経・内分泌・免疫系が過剰に活性化されHPA-axisの機能障害を起こしている可能性が示唆された.ストレス負荷により病態が悪化する可能性も示唆された. |
索引用語 |
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