セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P200 潰瘍性大腸炎の治療戦略に関する体外式超音波を用いた消化管エコー検査の有用性の検討

演者 小池祐司(慶應義塾大学医学部救急医学)
共同演者 大熊潔(慶應義塾大学医学部放射線科), 長沼誠(慶應義塾大学医学部消化器内科), 高山哲朗(慶應義塾大学医学部消化器内科), 高田康裕(慶應義塾大学医学部消化器内科), 市川仁志(慶應義塾大学医学部消化器内科), 江崎俊彦(慶應義塾大学医学部消化器内科), 矢島知治(慶應義塾大学医学部消化器内科), 井上詠(慶應義塾大学医学部消化器内科), 久松理一(慶應義塾大学医学部消化器内科), 岡本晋(慶應義塾大学医学部消化器内科), 緒方晴彦(慶應義塾大学医学部消化器内科), 岩男泰(慶應義塾大学医学部消化器内科), 日比紀文(慶應義塾大学医学部消化器内科)
抄録 【目的】体外式超音波検査を用いた消化管エコー検査で潰瘍性大腸炎の重症度や治療方針を評価できるか検討する.【方法】2007年2月から8月中当院に入院した潰瘍性大腸炎患者のうち同意が得られた14名(男性8名年齢16~67歳平均年齢40.5歳)に体外式超音波による消化管エコー検査を施行しその検査結果と治療経過を対比させて検討した.全ての患者は消化管エコー検査の結果に関わらず治療方針を決定した.【結果】患者は全員アミノサリチル酸(ASA)製剤を使用していた.軽快した治療法の内訳はASA製剤のみ2名ステロイド治療6名免疫抑制剤治療3名大腸摘出術3名であった.超音波検査結果で検討すると層構造の変化が臨床経過に重要であった.粘膜層と粘膜下層の境界がはっきりと区別できるA群4例ではASA製剤もしくはステロイド治療で軽快した.粘膜層と粘膜下層の境界が区別できないが粘膜下層と固有層の境界が区別できるB群4例中3例はステロイド治療で効果があった(1例は隆起性病変を認め手術を施行した).粘膜層と粘膜下層の境界が区別できないが粘膜下層と固有層の境界も区別できないC群6例のうち腸管の肥厚を伴うものは5例でt伴わないのは1コ口あった.腸管の肥厚を伴う5例のうち1例はステロイドで軽快3例はサイクロスポリンまたはFK506で軽快1例は本人の希望で手術であった.腸管の肥厚を伴わない1例はステロイドもサイクロスポリンも効果がなく手術を必要とした.腸管壁の厚さはA群くB群くC群であった.【総論】潰瘍性大腸炎患者の診療において治療法の選択に迷うことも少なくない.今回の結果から体外式超音波を用いた消化管エコー検査により適切な治療法を選択できる可能性が示唆された.
索引用語