セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P205 潰瘍性大腸炎緊急手術例の検討

演者 飯合恒夫(新潟大学消化器・一般外科)
共同演者 谷達夫(新潟大学消化器・一般外科), 丸山聡(新潟大学消化器・一般外科), 田島陽介(新潟大学消化器・一般外科), 畠山勝義(新潟大学消化器・一般外科)
抄録 目的)潰瘍性大腸炎(UC)は急性増悪した場合緊急手術を行わなければならないことがある.しかしながらステロイドによる治療や全身状態の悪化により術後重篤な合併症を併発し治療に難渋することもある.本研究では当科でのUCに対する緊急手術例を解析しその特徴について検討した.対象)1986年以降当科で緊急手術を行ったUC13例.男=女=8:5.平均年齢38.3歳結果)手術適応は大出血4例中毒性巨大結腸症5例全身状態の急性増悪2例穿孔2例であった.術式は大腸全摘回腸嚢肛門吻合術が行われた1例以外は全例に大腸亜全摘術が行われていた.前医での入院治療期間は平均36.6(6-104)日手術直前1カ月の平均ステロイド使用量は1277(280-4680)mg5例に血球除去療法が施行されていた.術前検査値では平均TP5.2(4.3-6.6)g/dlalb2.3(1.4-3.6)g/d1Hb8.8g/d1と低栄養をきたしていた.術後は8例(61.5%)に重症感染症などの重篤な合併症を認め残存直腸からの出血2例腹腔内膿瘍2例に再手術が行われた.術後入院期間は98.5(17-468)日で1例が晶出症候群で在宅中心静脈栄養に移行1例が脳炎で死亡した以外は全例回腸嚢肛門吻合術が可能であり社会復帰している.結語と考察)UC緊急手術例は重篤な術後合併症が多く術後入院期間が長期になっていた.低栄養などの全身状態の悪化や大量のステロイドの投与も原因の1つと推測された.手術のタイミングをはかるに前治療医との緊密な連携が重要であると考えられた.
索引用語