セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P206 癌以外の合併症のために手術を行った潰瘍性大腸炎症例

演者 小平誠(焼津市立総合病院消化器科)
共同演者 鈴木伸三(焼津市立総合病院消化器科), 吉岡邦晃(焼津市立総合病院消化器科), 寺川偉温(焼津市立総合病院消化器科), 佐野宗孝(焼津市立総合病院消化器科), 野垣敦宏(焼津市立総合病院消化器科), 進藤潤一(焼津市立総合病院外科), 大端考(焼津市立総合病院外科), 高林直記(焼津市立総合病院外科), 平松毅幸(焼津市立総合病院外科), 久力権(焼津市立総合病院病理科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎で外科的治療が必要な症例につき検討する.【方法】当院において過去5年間に経験された潰瘍性大腸炎症例のうち癌以外の合併症のため手術が必要になった症例をレトロスペクティブに検討した.【結果1症例1は69歳男性潰瘍性大腸炎発症4年目.当初直腸炎型と診断され5-ASAの内服にて治療を受けていた.平成14年2月誘因なく下血が出現ステロイド注腸を追加して改善したが6月から再度悪化.入院となった.プレドニン40mg内服穎粒球除去療法メチルプレドニゾロンによるパルス療法アザチオプリン内服などの治療を行うも改善なくサイトメガロウイルス感染真菌感染を合併したためそれぞれ治療を行いそれでも発熱下血などの改善を認めないため8月に大腸亜全摘術が施行され改善を認めた.症例2は30歳男性.発症2年目プレドニン内服にて治療されていたが平成18年4月より下痢が悪化.5月に下血が出現し血圧低下のため入院となった.プレドニン40mg内服穎粒球除去療法ステロイド強力静注療法シクロスポリン静注療法などで治療を行ったがX線上巨大結腸を呈し7月大腸穿孔を来たし緊急手術となった.症例3は21歳男性.2年前に潰瘍性大腸炎が疑われたが症状改善したため治療は受けていなかった.下痢下血のため平成19年8月当院受診入院となった.5-ASAステロイド強力静注などで炎症反応は改善したが下血が出現.ショックとなり緊急血管造影の上上行結腸の出血部位を塞栓し止血することができた.しかし腹痛が続き術後2日目に再度下血が出現.緊急手術となった.【結論】潰瘍性大腸炎の内科的治療は年々進歩しているがまだ内科的にコントロールできない症例は存在し発癌より先に外科的治療を要する時期が訪れると考えられた.
索引用語