セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
---|---|
タイトル | P210 急性肝不全症例の成因とその治療経験 |
演者 | 千田剛士(県西部浜松医療センター消化器科) |
共同演者 | 影山富士人(県西部浜松医療センター消化器科), 竹平安則(県西部浜松医療センター消化器科), 山田正美(県西部浜松医療センター消化器科), 吉井重人(県西部浜松医療センター消化器科), 本城裕美子(県西部浜松医療センター消化器科), 高井哲成(県西部浜松医療センター消化器科), 岩岡泰志(県西部浜松医療センター消化器科), 寺井智宏(県西部浜松医療センター消化器科), 魚谷貴洋(県西部浜松医療センター消化器科), 渡邉晋也(県西部浜松医療センター消化器科), 鏡卓馬(県西部浜松医療センター消化器科), 末廣智之(県西部浜松医療センター消化器科) |
抄録 | 【目的】急性肝不全に対する治療および予後はその成因により大きく異なり合併症を含めた対策も必要とされる.また最近は生体肝移植の選択も広がりつつある:今回われわれは過去5年間に経験した急性肝不全についてその成因治療選択転帰などを評価検討することを目的とした.【対象】2002年から2007年に当院消化器科を受診し入院となったPT40%以下あるいはT.Bilsmg/dl以上をきたした急性肝炎重症例を対象とした.なおHBVおよびHCV関連慢性肝疾患の急性増悪例(acute on chronic)は除外した.【結果】5年間で重症急性肝炎は48例.成因別ではHAV関連7例HBV関連17例薬物性肝障害3例自己免疫性肝炎3例アルコール性肝疾患7例原因不明11例であった.治療についてはHBVに対して核酸アナログの早期投与にて劇症化を回避しえた例が散見された.HAVについては一般的な保存的治療にて改善していたAIHでは他疾患でのステロイド剤の中止にて発症例がみられステロイドが投与された.アルコール性肝障害はビタミン不足に伴う突然死症候群や多臓器不全の合併があり対応が求められた.原因不明肝不全例は生体肝移植例もみられたが移植できない症例では血漿交換や持続濾過などの保存的治療での限界があり病態が多彩であり予後不良例が多くみられた.【考察】急性肝炎肝不全例に対する治療は生体肝移植以外の治療もHBV症例やAIH症例など原因の特定されたものでは良好な成績であった.一方アルコール性肝障害と原因不明の肝不全例においては治療困難例が多く合併症対策などに苦慮し救命率などの治療成績は不十分であった.【結語】5年間における急性肝不全症例の治療経験を検討報告した. |
索引用語 |