セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P219 白血球除去療法が著効し救命しえた重症型アルコール性肝炎の1例

演者 大田悠司(浜松労災病院消化器科)
共同演者 菊山正隆(浜松労災病院消化器科), 笹田雄三(浜松労災病院消化器科), 松橋亨(浜松労災病院消化器科), 仲程純(浜松労災病院消化器科)
抄録 【症例】34歳女性【主訴】全身倦怠感発熱【生活歴】焼酎4~5杯/日【既往歴】軽度うつ病【現病歴】1ヶ月前より全身倦怠感出現し2週間前より持続する発熱が出現していたが放置.家人より顔色の不良を指摘され当院救急室受診.肝酵素の上昇指摘され精査目的にて入院【理学所見】体温:38.1℃1605cm67.kg右季肋部に肝を2横指触知した結膜に黄疸あり.両側下腿軽度の浮腫あり.【入院時検査所見1WBC 14500/pLHb 12.4Plt 18.6万/ILLTBil 7.8mg/dlGOT127U/LGPT 26U/LALP 474U/LG-GTP IoslU/LS-Amy 49U/LCRPO.9mg/dl BS l19mg/d1PT 44%【腹部CT】腹部CTにて肝臓は高度に腫大し脾臓より高度に低吸収であった脾臓は高度に腫大.【病理】肝生検にて肝小葉内に小壊死巣が散在し無数の好中球が小葉内にびまん性に存在、多くの肝細胞にmadory bodyを認め約30%に脂肪化を認めた【経過】画像血液検査にて器質的疾患ウイルス性肝炎は否定的であった.通常のアルコール性肝炎と考え経過観察としていたが入院後6日目の血液検査にて白血球ビリルビンの上昇急性腎障害を認めたため肝生検を施行した病理より重症型アルコール性肝炎と考え文献より抗生剤G-1療法ウリナスタチン点滴開始したが効果なくステロイドパルス血液濾過透析施行も同様であった.血漿交換療法を施行し一時的なPTの改善とT-Bil.の改善を認めたがwBc 72500/pしと上昇は持続しT-Bil.再上昇認めたためアダカラムを使用し白血球吸着療法を開始した.治療開始後より白血球T-BiLPTを著明に改善し第50病日独歩にて退院となった.【考察】稀とされまた生存率の低い重症型アルコール性肝炎を経験し救命しえた.本症例では治療前に肝生検を施行しており診断治療方針決定において有用であった.文献より得られた治療法を施行しその治療効果を経時的に評価できその結果血漿交換と穎粒球吸着療法の併用が有効であったと考えられた.
索引用語