セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P223 成人Still病に肝機能障害を合併し腹腔鏡下肝生検を施行しえた1例 |
演者 | 中村由紀(日本大学消化器肝臓内科) |
共同演者 | 福島暁子(日本大学消化器肝臓内科), 大平俊一郎(日本大学消化器肝臓内科), 林順平(日本大学消化器肝臓内科), 中村仁美(日本大学消化器肝臓内科), 楡井和重(日本大学消化器肝臓内科), 蓮沼理(日本大学消化器肝臓内科), 田中直英(日本大学消化器肝臓内科), 森山光彦(日本大学消化器肝臓内科), 杉谷雅彦(日本大学病理学教室), 松村寛(日本大学消化器肝臓内科) |
抄録 | 今回我々は成人Sti11病に肝機能障害を合併し腹腔鏡下肝生検を施行した1例を経験したので報告する.<症例>44歳女性。平成16年頃から両膝の関節痛および微熱が出現するようになり消炎鎮痛剤の投与で経過観察されていた.平成18年7月に吐血・意識障害にて他院に入院成人発症Still病tまたはその類縁疾患疑いにてPSL投与開始され症状軽快外来にて経過観察されていた. PSL5mgで外来経過観察されていたが平成19年8月8日に38.8℃の発熱を認め他院受診8月10日の血液検査にてAST940ALT890と肝機能障害認め同日当院紹介され入院した.既往歴には平成18年大腿骨頭壊死があり飲酒歴は機会飲酒であった.入院時々症では眼球結膜に黄染を認め右肋片下で3横指肝を触知した咽頭痛はなし皮疹はなし37~38度の発熱を認めた.〈検査所見>TBL2.8AST7131ALT1847LDH3940ALP680VGT1311PT37%抗核抗体(一)抗ミトコンドリア抗体(一)抗平滑筋抗体(一)LKM-1抗体(一)フェリチン48050RF(一)であった.〈経過〉ステロイドは継続投与し強力ネオミノファゲンCなどの肝庇護剤の投与とFFP投与にて経過をみていたところ肝機能は徐々に改善した.肝機能障害の原因が特定できないため腹腔鏡下肝生検を施行した肝表面の肉眼的所見では肝表面は白色調でやや萎縮し凹凸不整大小不同の結節と溝状陥凹を認めた肝生検所見では肝実質に軽度のリンパ球浸潤を伴う壊死炎症反応を認めたが著名な形質細胞浸潤や脱落壊死像は認めなかった.〈結論〉自己免疫性肝炎の国際基準(1999年度)では診断基準にあてはまらなかったが腹腔鏡下の肝生検を行ない特徴的な所見を得られたため自己免疫性肝炎と診断した.Still病では自己免疫性肝炎の合併例は極めてまれであり腹腔鏡下肝生検が診断に有用であった症例を経験したので報告する. |
索引用語 |