セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P225 免疫組織学的に診断し得たCTA後期相でコロナ様濃染を呈するアルコール性過形成結節の1例
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演者 |
楊孝治(近江八幡市立総合医療センター消化器内科) |
共同演者 |
今井健一郎(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 久貝宗弘(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 森沢剛(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 十亀義生(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 赤松尚明(近江八幡市立総合医療センター消化器内科) |
抄録 |
慢性アルコール性肝障害に多血性の結節性病変が出現し肝細胞癌との鑑別が問題となる場合がある今回我々はアルコール性肝障害に合併しCTA後期相でコロナ様濃染を呈した結節を免疫組織学的に過形成結節と診断し得た1例を経験したので報告する【症例】46歳女性【主訴】意識障害【既往歴】30歳代からアルコール性肝障害【現病歴】平成19年5月意識障害があり当科救急搬送され肝性脳症と診断し入院となった【経過】入院時T-Bi126mg/dlAST331U/1ALT221U/1yGTP161U/1N且32Mpg/dlウイルスマーカー陰性AFP3.2ng/mlP工VKA-II735mAU/ml.入院後肝性脳症は速やかに改善した.腹部超音波検査で肝S7に低エコーを呈する径20mmの腫瘤を認めた.腫瘤は単純CTにて等吸収で造影CT動脈相で早期濃染を示し平衡相では周囲肝と等吸収を呈しSPIO-MRI T2強調像で周囲と等信号を示した.血管造影検査で腫蕩濃染像を認めた.CTAPで結節部の門脈血流は周囲と同程度でCTA早期相では腫瘤に一致した均一な強い増強効果を呈し後期相では腫瘤を取り巻くようにコロナ様の濃染を認めた.SPIO-MRIで結節内にKupffer細胞の存在が予想されアルコール性過形成結節と考えたがPIVKA-Hの上昇とCTA後期相での所見から肝細胞癌が否定できなかったため経皮石針生検を施行した.結節部では非結節部と比較し細胞密度の増加を伴う肝細胞の過形成像と類洞にCD68陽性Kupffer細胞の増加を認めた.結節内部の類洞内皮細胞はびまん性にCD34陽性を示しFNHでみられるような部分的な類洞のCD34陽性の所見とは異なっていた.異常な筋性血管や細胆管の増生を認め細胞の異型性は認めなかった以上よりアルコール性過形成結節と診断した.【考察】アルコール性過形成結節は血流画像診断だけでは多血性肝細胞癌との区別が困難であるが鑑別にはSPIO-MRIやCD68・CD34などの免疫組織学的検討が有用であると考えられた. |
索引用語 |
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