セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P226 低用量のcandesartan cilexetilとpioglitazoneは相乗的に膵の炎症と線維化を抑制する
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演者 |
菊田和宏(東北大学大学院消化器病態学) |
共同演者 |
正宗淳(東北大学大学院消化器病態学), 渡辺崇(東北大学大学院消化器病態学), 下瀬川徹(東北大学大学院消化器病態学) |
抄録 |
【目的】PPARゴ作動薬であるtroglitazoneが動物実験で慢性膵炎の炎症と線維化を抑制することが報告されているがpioglitazone(PIO)の有用性については明らかでない.アンギオテンシンH受容体拮抗薬の一種candesartan cilexedi(CAN)を高用量投与するとラット膵の炎症と線維化が抑制されるが0.8mg/kg/day程度の低用量投与では無効と報告されている.今回ラット慢性膵炎に対する1)PIOの作用と2)CANとPIOの低用量併用の作用について検討した.【方法lCANとPIOは武田薬品工業株式会社より供与いただいた.ラット慢性膵炎モデルであるWBN/Kobラットをa)コントロール群(CANPIOいずれも投与せず)b)CAN投与群(CAN l皿g/kg/dayPIOは投与せず)、 c)PIO投与群(PIOO.5mg/kg/dayCANは投与せず)d)CAN-PIO併用群(CAN lmg/㎏/dayPIOO.5mg/kg/day)の4群に分け10週齢から10週問薬剤を経口投与した後幕を摘出しHE染色sirius red染色免疫染色(α-smooth muscle actin(SMA)ED-1)を施行したt浮腫炎症細胞浸潤出血乳房変性線維化について膵切片面積に占める割合によりスコア化を行なった(0.0%;1.0-25%; 2.25-50%:3>50%)【成績】本検討における用量においてPIO投与群では膵病理組織所見に有意な抑制作用を認めなかった.また既報と一致して低用量のCAN投与群でも膵病理組織所見に有意な抑制作用を認めなかった.しかしCAN-PIO併用群ではコントロール群に比較して炎症細胞浸潤(1.3±0.5 vs 2.3±1.0p<0.05)腺房変性(1.1±0.6 vs 23±1.0p〈0.05)線維化(1.1±0.6 vs 23±1.0pく0.05)が有意に抑制されたα一SMA陽性細胞はコントロール群と比較し減少した.浮腫出血には有意な差を認めなかった.【結論】単剤では有効性を示さない低用:量のCANとPIOが相乗的に働き膵の炎症と線維化が抑制された.これら薬剤の併用療法の有用性が示唆された. |
索引用語 |
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