セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P229 単純MDCTによる膵疾患スクリーニングの試み

演者 江藤奈緒(医療法人山下病院)
共同演者 瀧智行(医療法人山下病院), 富田誠(医療法人山下病院), 小田雄一(医療法人山下病院), 馬渕信行(医療法人山下病院), 山村健史(医療法人山下病院), 服部外志之(医療法人山下病院), 中澤三郎(医療法人山下病院), 乾和郎(藤田保健衛生大学第二教育病院内科)
抄録 【目的】膵疾患のスクリーニングに超音波検査(US)が用いられるが満足できる成績ではない.当院ではVh・tual colonoscopy(VC)を4年前から行っているが膵癌を含めた膵病変が偶然に指摘されている.~方Dyriarnic MDCTの診断能は高いが造影剤の副作用などの問題からスクリーニングに用いるのは現実的でない.そこで単純MDCTによる膵疾患スクリーニングの可能性について検討した.【対象と方法】2005年3月から2007年3月までにVCを実施した2820例中膵病変が指摘され同時期にUSを行った35例を対象とした.膵病変の内訳は膵嚢胞18例IPMNll例SCN2例SPN1例膵癌2例膵仮性嚢胞1例であった.MDCTで発見されたがUSで描出されなかった症例21例をMDCT群USでも描出可能な14例をUS群とし病変の大きさ部位について臨摸を比較した.【結果】MDCTで発見された病変に対するUSの描出率は35例中14例(400%)であった、病変部位はMDCT群では頭部6例体部8例尾部7例US群では頭部7例体部4例尾部3例であり部位別のUSの描出率は頭部538%体eS 333%尾部30.0%であった. MDCT群の病変の大きさは平均13.3㎜US群では19.8mmであった(P・O06:t検定).霰の大きさを部位別にみると頭部でMDCT群14.6mmUS群16.4mm体部でMDCT群14.6mmUS群152mmと差を認めなかったが尾部ではMDCT群15.2mmUS群34.2mmと有意にUS群で大きかった(P=O.05:t検定).【結論】MDCT群の病変はUS群の病変と比べて小さく膵尾部ではMDCT群のほうが小さいことからMDCTのほうが描出能に優れていた. USでは肥満や腸管ガスなどによる検出不能例があるがMDCTは膵全体を観察することができ膵疾患スクリーニングに有用と考えられた.一方MDCTでは痩せ型の被検者で腸管の重なりで膵の輪郭が描出困難なことがあり体型と描出能の関連を検討する必要がある.
索引用語