セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P234 当院における高齢者における総胆管結石診療の特徴

演者 佐貫毅(明石市立市民病院消化器科)
共同演者 小林隆(明石市立市民病院消化器科), 船越太郎(明石市立市民病院消化器科), 関裕美子(明石市立市民病院消化器科), 坂井文(明石市立市民病院消化器科), 安藤純哉(明石市立市民病院消化器科), 吉中勇人(明石市立市民病院消化器科), 村田成正(明石市立市民病院消化器科), 藤田欣也(明石市立市民病院消化器科), 名生諭史(明石市立市民病院消化器科), 吉田俊一(明石市立市民病院消化器科), 平野誠一(三木市立三木市民病院)
抄録 【目的】当院での高齢者総胆管結石症例についての検討を行う.【方法】2003年1月~2007年6月の4.5年間に経験した総胆管結石(自然排石後疑いを含み期間内再発は除く)190例のうち75歳以上の高齢者80例について74歳以下の非高齢者110例と比較した.【成績】高齢者80例のうち胃全摘後で経皮経肝的処置を施行した2例とBillroth-2術後症例で乳頭部に到達できなかった1例を除く77例に内視鏡逆行性膵胆管造影検査(以下ERCP)もしくは関連手技を施行した.高齢者80例のうち58例で高血圧糖尿病虚血性心疾患や脳血管疾患などの既往歴がありうち26例で抗血小板または抗凝固療法がなされていた.高齢者は非高齢者に比し受診時症状で発熱のみが有意に高く腹痛や黄疸に差はなかった.ERCPを施行した77例中10例では総胆管結石が確認されず乳頭からの自然蛭石後と考えられた.残る67例中61例(91%)で完全切石が可能であったが同時期の非高齢者では100%の完全切石率であった.3例で高齢および結石多数等のため切石できずERBD留置退院とし2例では外科的手術を行った.合併症はBMroth-2術後症例でEST穿孔を経験しまた8例(10%)で処置後一過性膵炎を生じたが全例早期に改善した.【結論】高齢者では腹痛より発熱が主訴になることが多く日常診療において注意を啓蒙するべき点であった.高齢者でも比較的安全に総胆管結石治療を行うことが出来たが非高齢者と比較し完全切石率は低かった.近年抗血小板/抗凝固療法などが施行されている症例も多く初回にEST併用切石術を行うことが困難な例も多い.高リスク例などでは完全切石にこだわらずERBD留置で経過観察することも一法と考えられた.
索引用語