セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P235 高齢者総胆管結石症に対するERBDの有用性

演者 浜田暁彦(京都桂病院消化器内視鏡センター)
共同演者 日下利広(京都桂病院消化器内視鏡センター), 鳥居惠雄(京都桂病院消化器内視鏡センター)
抄録 【目的】総胆管結石症は高齢者に多いため複数の基礎疾患を有する症例が多い現在内視鏡的細石術が普及し経皮的や外科的治療に比べ低侵襲の治療が確立しているが高齢化の進行と共に裁石を行わずplastic stentのみでドレナージを行うERBDがより低侵襲な治療として容認されつつある.今回高齢者総胆管結石症の特徴とERBDが高齢・高危険群に対する治療としで有用であるか検討した.【対象と方法】2003年から2007年10月目当院で治療した総:胆管結石症203例を対象とした乳頭処置はほぼ全例でESTを施行した.(1)64歳以下;57例28%65-74歳(前期高齢者)64例32%75-89歳(後期高齢者)72例35%90歳以上(超高齢者)10例5%の4群を基礎疾患保有の程度(心血管呼吸器脳神経腎不全肝硬変糖尿病悪性疾患整形疾患高血圧を各1点としscore化)胆管炎程度結石径憩室頻度t内視鏡処置時聞偶発症につき比較した(2)内視鏡的載石術を施行した(裁石切178例)と上石せずERBD留置のみの(ERBD群9例)に対し同様の比較を行ったt結果】(1)(64歳以下/65-74歳/75-89歳/90歳以上)の各群を比較すると基礎疾患scoreの平均は(0.81/1.39/1.63/1.8).重症胆管炎の割合は(4/13/29/50%)結石平均径は(8/9/12/13mm)憩室の頻度は(21/39/46/50%)裁石術施行平均時間は(30/31/32/21分)内視鏡細節石不能率は(0/8/14/30%).偶発症率は(2/13/11/0%).(2)(裁石群/ERBD群)の比較では平均年齢(70/88歳:p〈O.OOI)基礎疾患score平均(1.3/2.3;p=0.9).重症胆管炎の割合(15/56%;p<O.01>.結石平均径(9/17mm:p<0.05).憩室の頻度(41/33%:N.S.).手技施行平均時間(31/26分;p〈O.05>偶発症率(10/0%)であった.【総括】(1>高齢者総胆管結石症の特徴として複数の基礎疾患を有し重症胆管炎が高率で結石径が大きく裁石成功が低率であった.(2)以上の裁石困難例・高危険群と考えられる高齢者に対し施行したERBDのみの治療は現時点では症例数は少ないがより短時間で施行でき偶発症の発症率が低く原病死もなく安全で有用な治療法と考えられた.
索引用語