セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P237 Gemcitabine(GEM)+cisplatin(CDDP)による化学療法が有効であった膵未分化癌の1例

演者 飯尾禎元(東大阪市立総合病院消化器科)
共同演者 高田早苗(東大阪市立総合病院消化器科), 岸愛子(東大阪市立総合病院消化器科), 小豆澤秀人(東大阪市立総合病院消化器科), 平尾元宏(東大阪市立総合病院消化器科), 山崎正美(東大阪市立総合病院消化器科), 赤松晴樹(東大阪市立総合病院消化器科), 小林一三(東大阪市立総合病院消化器科), 萩原秀紀(東大阪市立総合病院消化器科)
抄録 症例は41才男性平成17年2月胸部腹部に歯痛を自覚増悪傾向があり5月に腹部CTを施行したところ膵尾部に径5、6cmの乏血性腫瘤と肝に径12cm4日間腫瘤を認めた膵島癌周囲肝門田のリンパ節腫大腹腔内骨盤底部直腸前面の数mmから1cm程度の結節影も認めた. CEACA19-9は正常範囲内であった.上部下部消化管には異常を認めなかった.肝SOLの生検を行い原発は不明であるが未分化癌と診断された.臨床的に膵癌stage IVbと診断した.通常の膵管痛とは異なりGEM単独での効果が不明であったためCDDPとの併用化学療法を行った.GEM 1000mgr’皿2をday 1815CDDP 60mgr(m2をday 15に投与し4週間ごとに繰り返し行った.化学療法2クール終了後7月の腹部CTでは膵尾部および肝内の腫瘤は著明に縮小しており自覚症状も改善を認めた.その後6クールまで継続し膵肝の腫瘤の縮小傾向は持続した.副作用はCDDP投与後の嘔気食欲低下を認めた.12月からGEM 1000mg/m2単独で3投1休の化学療法に変更した.平成18年4月の腹部CTでは肝SOLは変化なく膵SOLは同定困難となるまで縮小した.GEM単独で4クールまでSDであったが6クール終了後6月に行った腹部CTで肝SOLの著明な増大を認めた.7月になり肝SOLの増大に対し動注リザーバーを留置しCDDPによる動注化学療法を行ったが2回目のCDDP投与中にアナフィラキシーショックとなり投与を中止した平成18年4月に左下肢痛左肩痛が出現し5月になり複視が出現したため脳MRIを行ったところ脳内に多発性SOLを認め転移性脳腫瘍と考えられたガンマナイフによる治療で脳転移による症状はいったん改善したが8月末頃より再び脳転移による症状の悪化を認め治療開始後約1年5ヶ月で死亡した.遠隔転移を有する膵未分化癌と思われる症例に対しGEM+CDDPによる化学療法が有効であった症例を経験したので報告する.
索引用語