セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P249 前庭部萎縮性胃炎の診断における血清ガストリン値の有用性に関する検討

演者 菊地亮介(東北大学大学院消化器病態学)
共同演者 阿部靖彦(東北大学大学院消化器病態学), 飯島克則(東北大学大学院消化器病態学), 浅沼清隆(東北大学大学院消化器病態学), 小池智幸(東北大学大学院消化器病態学), 今谷晃(東北大学大学院消化器病態学), 大原秀一(東北大学大学院消化器病態学), 下瀬川徹(東北大学大学院消化器病態学)
抄録 【目的】H.pylori(Hp)感染による萎縮性胃炎は胃癌発症の危険因子である.萎縮性胃炎のスクリーニングでは体部萎縮の評価に優れるペプシノーゲン(PG)法が広く行われているが前庭部萎縮に関しては有用な指標がなく十分な検討は行われていない.主に前庭部G細胞から分泌されるgastrinは胃液酸度によるフィードバック調節を受け体部萎縮の進行に伴い血清中の値は上昇する.しかし前庭部萎縮が存在する場合その値は低下すると考えられるそこで今回前庭部萎縮性胃炎の診断における血清gastrin値の有用性について検討した.【方法】対象はスクリーニング目的で上部内視鏡検査を受けた患者116名.男性65例平均年齢53(22-79)歳内視鏡検査前に血清PG I・H値(ng/dDHp抗体総gastrin値(p9/ml)測定のための採血を施行した.内視鏡検査では前庭部小弩(Al)・大引(A2)胃体中部小育(Bl)胃体上部大弩(B2)の計4箇所より生検しupdated Sydney systemに準じ組織学的胃炎を0-3の4段階にscore化して評価した. A1A2およびBlB2のいずれか高い方のscoreを各々前庭部体部の萎縮scoreとし解析に用いた.Hp感染診断はHp抗体と鏡検で行った.【成績】l16例のうちHp陽性は66例であった.Hp陽性例は陰性例と比較し有意に高齢でPGIおよびPGII高値PGI/H比低目gastrin高値を示した. Hp陽性例のみで検討すると体部萎縮例のgastrin値は平均158.1で非萎縮例926に対し有意に高値で前庭部では逆に萎縮例で平均128.0と非萎縮例174.2に比し低値である傾向を示した.さらに体部萎縮を認める例に限り検討した結果前庭部萎縮例のgastrin値は135.3と非萎縮例の201.3に比し有意に雨脚であった一方前庭部萎縮例非萎縮例のPGI/H比は各々平均2.12。0と差はなかった.【結論】血清gastrin値はPGおよびHp感染の有無を加味して用いることにより前庭部萎縮性胃炎の診断に有用である可能性が示唆された.
索引用語