セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P260 H.pylori感染胃粘膜におけるエピジェネティックな変化 |
演者 | 山本英一郎(札幌医大第一内科) |
共同演者 | 豊田実(札幌医大第一内科), 鈴木拓(札幌医大第一内科), 村山洋子(市立伊丹病院), 佐野村珠奈(大阪大学消化器内科), 今井浩三(札幌医大), 篠村恭久(札幌医大第一内科) |
抄録 | 【目的】Helicobacter pylori(HP)感染による癌抑制遺伝子メチル化が胃癌の発生に重要な役割を担っていると示唆される.HP感染胃粘膜におけるエピジェネティックな変化を明らかとし感染者の中での胃癌ハイリスク群を設定することは胃癌の早期発見や予防のために極めて重要である.【方法】HP非感染胃粘膜群8例感染胃粘膜群46例の前庭部胃体部より内視鏡的生検し9遺伝子(CDH1SFRP1SFRP2SFRP5DKK2DKK3WIFIPGP95RASSF2)計55箇所のCpGをPyro・sequencing法で定量的メチル化解析した.【結果】RASSF2を除く8遺伝子はHP感染胃粘膜群で有意に高メチル化レベルを示した. HP感染胃粘膜群において8遺伝子のメチル化レベルを前庭部胃炎群とPangastritis群で比較したところ胃体部でCDH1(22%31%P=O.005)SFRPI (39 0/o46 % P = O.008)SFRP2 (33 0/48 0/P = O.Ol)SFRP5 (150/o220/o P=O.Ol)DKK2 (120/220/P=O.007)DKK3(220/31%P=O.005)WIFI(12%190/P=O.Ol)PGP9.5(190/o27%P=0.01)と全ての遺伝子でPangastritis群が高いメチル化レベルを示した.【結論】今回の結果よりPangastritisでは前庭部胃炎に比べ萎縮腸上皮化生を伴わない胃体部でメチル化レベルが高いことを明らかにした.このようなメチル化レベルの上昇が突然変異癌抑制遺伝子のメチル化を起こすことで腸上皮化生を伴わない場合でも胃癌の発生特に未分化癌を発生する可能性が示唆される.以上の結果からPangastritisにおけるメチル化レベルは胃癌リスクの分子マーカーとしての臨床応用が期待される. |
索引用語 |