セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P262 胃・十二指腸潰瘍穿孔症例のフォローアップピロリ菌除菌治療は再穿孔予防に有効か? |
演者 | 山初和也(日本医科大学外科) |
共同演者 | 加藤俊二(日本医科大学外科), 松倉則夫(日本医科大学外科), 菅野仁士(日本医科大学外科), 中村慶春(日本医科大学外科), 奥田武志(日本医科大学外科), 藤田逸郎(日本医科大学外科), 木山輝郎(日本医科大学外科), 田尻孝(日本医科大学外科) |
抄録 | 【緒言】H2受容体拮抗薬(H2-RA)の出現さらにはプロトンポンプ阻害薬(PPI)などの強力な胃酸分泌抑制剤の出現により上部消化管穿孔は減少しているがなお一定の数で存在するとともに最近はその発症年齢が広汎となってきている胃・十二指腸潰瘍穿孔症例では保存的治療もしくは大網充填術+腹腔洗浄ドレナージと臓器温存術式が一般的となってきた.今回教室において初回手術加療伊興穿孔した4例を経験しピロリ菌除菌がその予防に有効かどうか症例を提示するとともに検討した.【症例1】37歳男性.35歳で十二指腸潰瘍穿孔にて大網充填術施行ピロリ菌除菌せず薬物治療も自己中断され2年後に再穿孔をきたす.【症例2】27歳男性.21歳時に十二指腸潰瘍穿孔にて保存的治療で軽快.ピロリ菌除菌したが6年後再穿孔をきたし大網充填術施行.【症例3】34歳男性.24歳時胃潰瘍穿孔にて社会的適応もあり幽門側胃切除術施行したが術後10年後に吻合部対側小腸の再穿孔あり.ピロリ菌は胃切除後除菌していた.【症例4】76歳女性75歳時十二指腸潰瘍穿孔にて大網充填術施行.ピロリ菌陰性であったがNSAIDs内服され1年後再穿孔をきたす.【結語】今回我々はピロリ菌感染による胃・十二指腸潰瘍穿孔例で再穿孔を4例経験した.ピロリ菌除菌治療によって胃・十二指腸潰瘍再発はかなりの確率で防げるが除菌治療が必ずしも再穿孔の予防に結びつかないことを示している上部消化管穿孔後のフォローアップとしてピロリ菌除菌治療は重要だがその他NSAmsの服用・制酸剤投与前後の胃分泌機能の変化・基礎疾患の有無・粘膜修復能の個人差など宿主因子も重要であると考えられた. |
索引用語 |