セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P263 ラフチジンのH.pylori除菌成功後に生じるディスペプシア症状抑制効果について
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演者 |
栢木真太郎(東京警察病院消化器センター内科) |
共同演者 |
鈴木剛(東京警察病院消化器センター内科), 吉良文孝(東京警察病院消化器センター内科), 須山由紀(東京警察病院消化器センター内科), 西村秀司(東京警察病院消化器センター内科), 平野正憲(東京警察病院消化器センター内科) |
抄録 |
【目的】Helicobacter pylori(以後H.pylori)除菌療法は潰瘍患者の消化器症状を改善すると報告されているが除菌成功後に症状を訴える患者が少なからず存在する. この除菌成功後の有症状時には酸分泌抑制薬を使用することが多くラフチジンは症状改善を期待して使われる酸分泌抑制薬の一つである.今回我々はラフチジンの維持療法としての効果を確認するために除菌療法施行後にラフチジンを投与した群と消化性潰瘍治療薬を投与していない無投薬群の症例にアンケート調査を実施し症状抑制効果を検討した.【対象】ラフチジン1日10mgを継続して投与した19例(ラフチジン投薬群)といずれの消化性潰瘍治療薬も使用していない14例(無投薬群)の計33例である.【方法】症状調査表を用いて「最近4週間の症状の有無」を調査した.ディスペプシア症状の有無については各質問項目に一つでも「あり」と回答された場合を「症状あり」としtすべての症状に対して「なし」との回答が得られた場合に「症状なし」とした.【結果】ラフチジン投薬群にてディスペプシア症状の有症状が19例中2例であったのに対して無投薬群では14忙中6例であった(p=0.047).また空腹時上腹部痛についてラフチジン投薬群には症状の訴えがなかったのに対し無投薬群では14例中4例にて症状の訴えがあった(p=O.025).さらに運動不全型の症状である胃もたれ胃部不快感腹部膨満感食後早期の膨満感の項目についてはラフチジン投薬群には症状の訴えがなかったのに対し無投薬群では14例中5例にて症状の訴えがありラフチジンは有意差をもって症状を抑えていた(p=0.008).【まとめ】ラフチジン投与群では約1割に無投薬群では約4割にディスペプシア症状が発現しており両脚間に有意差を認めた.ラフチジンはH.pylori除菌成功後に出現するディスペプシア症状を抑えることが期待できる有効な薬剤の1つと考えられた。 |
索引用語 |
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